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NOW ON STAGE 花組・宝塚大劇場公演『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』『TUXEDO JAZZ』


花組・宝塚大劇場公演
『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』
『TUXEDO JAZZ』

宝塚大劇場公演
2007.2.9(金)〜3.19(月)

→ 詳しい公演情報は宝塚オフィシャルページへ

番組プレビュー

出演者

出演者の写真をクリックするとその他の出演番組がご覧いただけます。


春野寿美礼

桜乃彩音

真飛聖

壮一帆

愛音羽麗

桜一花

解説

グランド・ロマンス
『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』
〜江戸川乱歩作「黒蜥蜴」より〜

脚本・演出/木村信司

 これまでにも様々に映画化、舞台化がされている江戸川乱歩作「黒蜥蜴」。宝塚版では、時代を先の大戦後に移し、憂いを秘めた名探偵・明智小五郎と、洋装から和装へと変幻自在に姿を変える女賊・黒蜥蜴とのスリルとサスペンスに満ちた物語を展開、三島由紀夫版とは違う宝塚歌劇ならではの結末へと進んでいきます。
 探偵・明智小五郎は、宝石商の岩瀬に雇われる。娘の早苗を誘拐すると、岩瀬に予告状が来たためであった。早苗と親しい緑川夫人(実は怪盗・黒蜥蜴)は、明智に賭けを申し出る。もし早苗が誘拐されたら、明智には探偵をやめてもらう。そしてもし明智が賊を捕らえたら、自分の宝石をすべて差し出そうと。探偵と怪盗、両者による奇妙な賭けが成立する。
 緑川夫人が早苗を自室に誘う。緑川の手下・雨宮は早苗を薬で気絶させ、大きなトランクに押し込む。その間に、緑川夫人は早苗に変装する。今夜2時に早苗をさらうという電報が届く。岩瀬は早苗ならベッドで寝ていると一笑にふす。しかしベッドには人形の首が。早苗はさらわれた。一同は明智を責める。
 そこへ一本の電話が入る。明智は勝利宣言をする。明智はホテルの周りを警備させ、早苗を保護したのである。賊を逃がしたとあって、岩瀬は残念がる。しかし明智は、緑川夫人こそ真犯人だと言う。緑川夫人が戸惑うとき、小林少年、波越刑事達の元へ、早苗が戻る。黒蜥蜴、絶体絶命!だが女賊は不敵に問う。黒蜥蜴は拳銃を掲げて去る。
 夜の東京。黒蜥蜴を追う人々。そんな中、明智は、不思議な胸のときめきを覚えずにはいられなかった。明智と黒蜥蜴の戦いは……。男の名探偵、女の怪盗、二人が迎える結末とは……。

ショー
『TUXEDO JAZZ』

作・演出/荻田浩一

 1920年代から1950年代のアメリカ―古き良きブロードウェイ、華麗なるフォーリーズ、絢爛たるジャズとマンハッタンの煌き。そんなハイソサエティの神話が生きていた時代のアメリカをテーマにした、大人っぽい華やかさと、瑞々しい闊達さを併せ持つショー。


春野寿美礼と桜乃彩音を中心とした花組が宝塚大劇場で公演中です。作品は、木村信司脚本・演出の『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』、そして荻田浩一作・演出のショー『TUXEDO JAZZ』です。『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』は、江戸川乱歩作の「黒蜥蜴」をもとにした作品。「黒蜥蜴」はこれまでにもさまざまに舞台化、映画化されている人気作ですが、宝塚版では時代を第二次世界大戦後に設定。名探偵・明智小五郎と女賊・黒トカゲの、追いつ追われつの関係をクローズアップし、愛の物語として描きます。『TUXEDO JAZZ』は、1920年から50年代のアメリカをテーマに、全編ジャズが流れる、大人っぽく華やかなショー。今回の座談会には、春野、彩乃と真飛聖、壮一帆、愛音羽麗、桜一花が出席。初日から少したった手応えや心境を語っています。『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』の演出家、木村のインタビューも興味深いのですが、そちらは放送でお楽しみください。

 

●『明智小五郎の事件簿』
…明智と黒トカゲの関係は対等で新鮮と春野

春野・明智が「どこまでも黒トカゲを追いつめていきたい」と言えば、桜乃・黒トカゲは「どこまでも明智さんに追われていたい」と語ります。今回の黒トカゲは原作よりだいぶ年若な設定です。役についての自己紹介のあと、春野が「公演が始まりましたが、どうですかね」と口火を切ります。

真飛: いかがですか?
春野: 私?(笑)今までとは…雰囲気が違う! 雰囲気、違くない?
真飛: …そうですね
春野: だって『明智小五郎』を宝塚でやるって聞いたとき、どうだった?
桜乃: びっくりしました
春野: ねぇ
桜乃: 宝塚っぽくないな、って
春野: ぽくないよね
桜乃: はい
春野: なんか私のなかでは、『明智小五郎』って、あのテレビでやってる火曜サスペンス劇場とかの感じで。でも、みんな知らないでしょ?

一同笑う

春野: 昔テレビでやってたんだよ。火サスみたいな雰囲気で。だから宝塚には合わないとか思ってたんだけど、でも台本を読んだら宝塚らしいロマンスがふんだんに含まれていたから、あぁ、できるんだなって感じたんだけど。でもやっぱりね、舞台の上に立って、初日開いて、お客さまの呼吸とかも感じると、いつもとは違うお芝居をやってるんだなっていうのを感じる。感じない?
桜乃: 感じます。場面場面の緊迫感がすごくて。舞台上でもですし、お客さまからもそういう緊迫感とか緊張感をすごく感じます
春野: ねぇ。…2人の愛とかより、このあと物語はどういうふうに変化していくの? みたいな感じで、お客さまもいつもとは違う感覚で観ている、そんな感じがする
真飛: 主演のお二人が、敵じゃないですけども、バトルというか。そういうのもあんまりないじゃないですか
春野: だって舞台の上でお互いを、なめ回し合っている(笑)上から下まで…
真飛: そういう姿は、見ていてすごく新鮮
春野: そう。いつもはどちらかというと娘役さんに、後ろからプッシュされるというか、そういう感じなんだけど、今回は本当に対等で、横に並んでお互いに刺激しあっていくっていう、そういう形は初めてでものすごく新鮮
 

●"トカゲ貼る""トカゲはがす"
…背中にトカゲのシールを貼っている桜乃

黒トカゲは明智と対等な、宝塚の娘役ばなれした役。背中に黒トカゲの入れ墨を入れた女怪盗ですが、このトカゲ(シールです)の扱いもまた大変で…。

春野: (桜乃)どんな感じがする?
桜乃: 私のなかで宝塚はやっぱり、男役さんがいらっしゃって隣りで花を添えている娘役さんがいてというイメージがあって、それがすごく好きだったので、自分がおささん(春野)と対立する役って、できるのかなって心配があって。最初はやっぱり外面だけですごくがんばって

一同笑う

桜乃: 負けなくてよ! って、すごくビリビリやっていたんですけども、お芝居を創っていくなかで、がんばっている自分であってはいけないなって、先生にも周りの方々にもおっしゃっていただいて、自分が黒トカゲにならなくてはいけないって感じています。今はだいぶ自然にそういうふうになってきたけど、初日が開いても緊張はなかなかとれず…
春野: それはそうだよね。でも色っぽいよね、背中に黒トカゲの…なんて言うの?
桜乃: タトゥー・シール
春野: (笑)シール。オープニングのドレス、ものすごく背中が開いてるものね。あれ見せられただけでけっこうゾクゾクする
桜乃: あのシールは同期が朝、貼ってくれていて

一同笑う

春野: (笑)シールだったんですか
桜乃: 取るのがけっこう大変で
春野: ショーまでには取っているでしょ。ショーでもあれが残っていたら面白いよね
桜乃: 忘れないように鏡に"トカゲ貼る"、"トカゲはがす"って書いてます(笑)
 
 

●『潤ちゃん』って呼ばれるのがうれしい…雨宮の真飛

真飛演じる雨宮潤一は、元ボクサーで黒トカゲの手下。彼女を慕っていますが…。

春野: 手下がいるんだよね
桜乃: はい。いっぱい
春野: その1…潤ちゃん
真飛: でも娘役さんから命令をされることは男役としてあまりないじゃないですか。だからすごく新鮮なんですね。もう顎で『潤ちゃん、縄、縄!』って
春野: 快感?(笑)
真飛: 快感!(笑)。命令されればされるほど惹かれていく。…って言ってますからね、自分で
春野: でもすごく可愛がられているよね。だって下の名前で"ちゃん"づけだもの
真飛: 潤ちゃあん。アハハ…
春野: (桜乃に)いちばん可愛がってるでしょ?
桜乃: そうですね。途中までは
真飛: 途中までは! …きっぱり言うねぇ
春野: 言っておくけど、明智は手下じゃないからね
桜乃: ウフ…え?…
春野: あ、松公か。途中から松公に変わってるんだものね
真飛: そうだね。(桜乃に)明智のことも手下とか思ってる?
桜乃: (下を向いて)いえ…
春野: 明智のことも手下ぐらいにしか思ってないんだよ、きっと。明智もけっこう顎でやられてますから(笑)、(顎で命令する仕種で)踊ってとか(笑)

一同笑う

 

●明智の親友、波越警部…壮

壮が演じる波越警部は明智の親友。明智と共に、黒トカゲと雨宮の車を追いかけます。

壮: 私と明智さんの間柄は、明智ちゃんと波ちゃんという
春野: 親友だからね
壮: そう…『あそこの煙草屋の看板見えるだろ』って(笑)、『あの看板のところに行ったらスッと抜かしてくれ』って
春野: (笑)そうそうそう
壮: で、よし、まかしとけって(運転する仕種)。でもものすごく運転、荒い感じですよね
春野: すごい揺れるものね、車が。波ちゃんものすごく真剣に運転しているでしょ
壮: そうなんですよ。(真飛に)片手運転とかされている。なんか余裕な感じで
真飛: 潤ちゃんは片手って言われてます
壮: 私は両手で(笑)
春野: あまりにも真剣に運転しているから、オヤジの扮装のまま車に乗り込むんだけど、今日はオヤジの手袋を外して、その手袋で汗を拭いてあげた

一同大受け

壮: いいヤツだなお前、とか言って(笑)
春野: (笑)あの車のなか私たち、けっこう
壮: ものすごくしゃべってます
春野: ものすごくしゃべってる
真飛: どこでしゃべるんですか
壮: (真飛を指して)歌っているとき
真飛: (笑)そうなんだ!
春野: …結婚したばっかりだから奥さんのことがすごく気になって
真飛: 何さんでしたっけ
壮: (きっぱり)キヨコです!
 

●書生・寺坂には深い事情が…愛音

岩瀬家の書生はなんと14人。愛音が演じる寺坂は、裏切り者になってしまいます。

春野: ただの書生じゃないんだよね
愛音: そうですね。ちょっと事情がありまして、みなさまを裏切った形になってしまいますが。事情があるんですよ、家が苦しくて
春野: ねぇ、田舎の父さん…
愛音: 父さんが死んじゃったんで
春野: 死んじゃって、苦しいんだよね、だから、家計が
愛音: 秋田から出てきたんです
春野: そうなんだ
愛音: …たぶん(笑)
真飛: (笑)たぶん
春野: 勉強はできるんだろうね
愛音: そうですね、きっとたぶん
春野: 慶應の生徒なの?
愛音: そうなんです…みんなでも、帽子が微妙に違ったりするので
春野: あ、いろんな大学…
愛音: 学校が違うのかなと。でもすごく面白いです、みんながいつも日々違って、あそこのソーラン節を歌うところの辺りもみんなでワイワイ。新鮮な感じですね
 

●明智の家に住んでいます…小林少年・桜

明智小五郎といえば少年探偵団と助手の小林少年。明智は小林少年を養育しているのです。

春野: 明智くんは小林くんを、家に住まわせているんだよ
桜: はい
壮: 一緒のお部屋にいるんだよ
真飛: 可愛い(笑)
春野: …たまに子守唄を歌ったり
桜: はい、早く寝るように
春野: 早く寝るようにね。もちろん本も読んであげたりとか。すごいね、明智くんと対等に仕事の話しをしたり。でも子どもだから単純なことがわからなかったりする
桜: そうなんです
春野: 可愛いねぇ。なんで早苗さんがこうなのか、ばれないのが不思議だって
桜: ?…あ! そうか! って(笑)
春野: 子どもなんだよね、やっぱり
桜: 舞台稽古のときに、出ていっただけでおささんに大爆笑されて(笑)
壮: はじめて見たんですよね、あのとき
春野: おっかしかった…『名探偵コナン』っていう番組の、あのコナンくんにしか見えなくて。すごく可愛かった
桜: で、先生も途中でそれっぽいスーツ着てらして
春野: そうそうそう、似たようなヤツをね
桜: はい
春野: チェンジしても大丈夫かなと思って昨日、コバヤンの(笑)ジャケットを着たらつんつるてんだった(笑)。全然足りなかった
 

●誰も一息つけない、全部つながっているショー『TUXEDO JAZZ』

ショーは前のシーンと次のシーンが一つながりに流れる展開。誰もが少しずつでも全シーンに出ているので、息もつげません。

春野: このショーって、オープニングが始まったら緞帳が降りるまで、誰もが一息つくところがない
真飛: ないですよねぇ
春野: ズーッとジャズが全編流れてて、全部つながっているんだよね。…これもいつもと違う感じなんだよね、私、やってて
真飛: みんな走ってますしね、ソデとかで
春野: ずっと走ってるね。いつもだったら、オープニングが終わったら次はちょっとカーテン前があって、その間に後ろの人たちが準備をして、新しい場面が始まって、それをやってる間に自分はちょっと次の用意をするとか、そういうはっきりとした区切りがあったんだけど、今回はまったくなくて。全場面、誰も彼もがちょっとずつ出てるでしょ? この形式に慣れなくて、どうしようかとか思ったんだけど…あのね、逆らわないことにした

一同笑う

春野: 自分がちゃんと受け入れて、お客さまにこうですよと素直にお見せするしかないなと思って。キメキメでやるんでなく。荻田先生が言っていた、今のオサだったらキメキメの男役でなくてもできるんじゃないか、っていうのが、あぁこれかって。これにも通じることなのかなぁって。だからこれは本当に、今自分に与えられている試練かな、新しい目標というか。これを乗りこえてこなしていかなくちゃいけないみたいな……立派だ(笑)
壮: 素晴らしい
春野: みんなはどんなこと考えてやってるの?

一同笑う

愛音: おささんが窓から出てくるの、可愛い
真飛: 可愛カッコいい!
春野: (笑)なに? それ
真飛: 可愛いんですけどカッコいい
壮: でも何かが今から始まるんだっていうワクワク感があるんですよね。やっぱりあの窓からすべてが始まるっていう…舞台稽古でちょっと見て、すごいなと思いました
 

芝居もショーもいつもとちょっと違った感覚で、戸惑いつつもチャレンジ精神を燃やしている出席者たち。大劇場公演を1か月半やり、練り上げられたあとの東京公演がいっそう楽しみになりました。主演2作目で存在感をました桜乃、ひょうひょうとした真飛と愛音、久しぶりに花組に帰ってきた壮の明るさ、ちょっと緊張気味だけどしっかり発言していた桜…春野を中心に、チームとしての求心力を感じた座談会でした。

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