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NOW ON STAGE 星組・宝塚大劇場公演『さくら』『シークレット・ハンター』



宝塚舞踊詩
『さくら』
−妖しいまでに美しいおまえ−
作・演出/谷正純
見事に咲き見事に散る、その潔さが日本人の心を捉えてやまない「桜花」。その妖しいまでに美しい世界の中で、愛を、生命を謳歌する人々の姿を描いた舞踊詩。この公演は星組新主演男役・安蘭けいを中心とした新生星組の宝塚大劇場お披露目公演。
ミュージカル
『シークレット・ハンター』
−この世で、俺に盗めぬものはない−
作・演出/児玉明子
1930〜40年代のカリブ海に浮かぶ島々を舞台に、泥棒で詐欺師のダゴベールこと、通称“ダグ”が、「或る女を盗み出すこと」という奇妙な依頼を受けたことから始まる、詐欺師とプリンセスとの恋物語。
「この世に盗めぬものはない」と豪語するダグは、情報屋のセルジオから「或る女を盗み出す」という依頼を受ける。一風変わった依頼に戸惑うダグだが、自ら広げた宣伝文句がある以上断ることも出来ず、ついにその仕事を引き受けてしまう。
その女性が現われるというパーティー会場へ忍び込むダグ。ダンスの時間になり、踊りながら彼女のもとへ辿り着いたダグは、見事彼女を屋敷の外に連れ出すことに成功する。だがその途中慌しく伝えられるニュースで、ダグが見たのは「パラス・アテナ国の王女ジェニファー、何者かに誘拐される」という記事であった。その王女こそ、今彼の隣で、ハンバーガーを口一杯に頬張ろうとしている彼女その人なのである―。
面倒なことに巻き込まれるのは御免だと、ダグはセルジオのもとへ彼女を送り届けようとするが、当のジェニファーはもう少しだけ普通の女性としての生活を味わわせてほしいと言う。一日限りのカリブのデートを満喫し、約束通り彼女を送り届けようとした時、何者かがダグたちを襲う。彼らの狙いは、明らかにジェニファー一人であった。そんな彼女をダグは身を挺して守り、ついに追っ手を振り切る。その日から、ダグとジェニファーの不思議な逃亡生活が始まった。ダグを追う警察と、ジェニファーを追う殺し屋から逃れ、美しいカリブの島々を巡り渡る二人。しかし不思議なことに、どの島にも何故か必ず彼らを窮地から助け出してくれる協力者がいた。
だが、そんな奇妙だが幸せな生活にも、終わりを告げる日が近付いていた。ジェニファーを追う殺し屋と、彼らを捜す警察に挟まれ、とうとう逃げ場を失ったダグは、ジェニファーを守るため、自首することを決意する。警察隊へと向かうダグたちを、敵の銃弾が襲った。ジェニファーを守るダグの身体を弾丸が貫く。薄れゆく記憶の中で、ダグは信じられない光景を見る・・・・・・。
星組・安蘭けいと遠野あすかの主演お披露目公演が、第93期生50名の初舞台生を迎え、宝塚大劇場で上演されています。『さくら』は咲き誇り散る「桜」の世界で愛と生命を謳う人々の姿を描いた舞踊詩で、作・演出は谷正純。彼がはじめて手がける日本物のショーです。『シークレット・ハンター』は、カリブ海の島々を舞台に、詐欺師のダゴベール、通称"ダグ"が某国のプリンセスを盗み出す依頼を受けたことから始まる、逆転、また大逆転のコメディで、作・演出は、この作品が大劇場デビュー作となる児玉明子です。今回の座談会には、安蘭と遠野、そして柚希礼音、立樹遥、涼紫央が出演。初日が開いてしばらくした感想、意気込みなどを語ります。そこから少しご紹介しましょう。作・演出の谷と児玉、さらに『さくら』に専科から特別出演している松本悠里のインタビューも興味深いのですが、そちらは放送でお楽しみください。
●『さくら』
…「"ニチバー"としてがんばりたい」安蘭と、「ようやく楽しめるようになってきた」遠野
話題は『さくら』から。日本物のショーにはあまり縁がなかったメンバーが多く(立樹はなんとはじめて!)、稽古場では苦心の日々がつづいたようです。じゃんけんで決まったという立樹の進行役で、座談会が始まりました。
| 立樹: |
初日が開いて数日たちましたけど、どうでしょう、とうこさん(安蘭) |
| 安蘭: |
だいぶ日本舞踊もなれてきたような気がして。お稽古場では、ホントに久々に日本舞踊を踊って、難しいなと実感したんですけど |
| 立樹: |
奥深いですよね |
| 安蘭: |
深いねぇ〜。出演してくださっている松本悠里さんにいろいろ指導していただいて、身体のひねりからなにから全部教えてもらってね、やっと形になってきて、いま舞台に立っているんですけど。これを機会にニチバーとして |
| 柚希: |
アハハハ… |
| 立樹: |
(笑)タップと一緒ですか? |
| 安蘭: |
そうそうそう、(笑)タッパーと一緒で…ニチバーとしてね、がんばりたいな〜なんて思って。日舞の楽しさも、さっき(自己紹介のとき)のあすか(遠野)の"最近きものを愛してきた"じゃないけど、日本物のよさもどんどんわかってきたような感じで。楽しくやってます |
| 立樹: |
じゃぁ、あすかちゃん |
| 遠野: |
はい。ここ何回かすごく日本物の世界を楽しめるようになってきて。ホントにお稽古場はさんざんだったんですが(笑) |
| 安蘭: |
…そうなんだ |
| 遠野: |
(笑)さんざんだったので、ようやく楽しめるようになってきて |
| 立樹: |
座談会でも言ってたよね、"楽しめるようになりたいです"とかって |
| 遠野: |
なってきました、さっそく。…早いですよね、ちょっと |
| 安蘭: |
早いね(笑) |
| 遠野: |
(笑)…がんばります。お稽古場でよく涼さんのお隣で踊らせていただいているんですけど、とよこさん(涼)がすごくお上手じゃないですか。なので、チロチロ角度とかを見ながら(笑)お稽古して。で、上下対称がCHIE(柚希)なので、CHIEのタイミングとかを(笑)チロチロ見ながら、人に頼りながらがんばってたんですけど。最近ようやく自分の呼吸でできるようになってきて、楽しくなってきました |
| 涼: |
お引きずりははじめて? |
| 遠野: |
舞踊会を除けば、はじめてです |
| 立樹: |
大変だよね、あれね。お雛様の場面とかも、階段に上がったあとのさばきとか |
| 遠野: |
(笑)内緒…。
全然できてないから、アハハハ… |
| 安蘭: |
必死で、上がったら、バサーって(笑) |
| 遠野: |
必死な私をとうこさん(安蘭)は涼しく見ている |
| 安蘭: |
そうそうそう…でも『シークレット・ハンター』では汗だくな私を涼しく見ているから(笑) |
●美しいセットのなかで踊る悦び…柚希、立樹、涼
本舞台では美しいセットや衣装にも助けられ、みんな楽しくなってきたようです。柚希、立樹、涼の発言からも少し紹介しましょう。
| 柚希: |
舞台稽古でセットとかを見たら、すごく綺麗で。そのなかで踊っていると思うだけで、稽古場より気分がのります |
| 安蘭: |
アハハハハ… |
| 遠野: |
そうかも |
| 涼: |
イメージトレーニング |
| 柚希: |
イメージトレーニングです。お稽古場ではギクシャク、カチコチだったんですけど、自分がニチバーと思いこんで、やってます |
| 安蘭: |
それはいいことだ。やっぱし、思いこみが大事だからね(笑)。誰よりも踊れると思って踊らないとね |
| 涼: |
ショー、アッという間に終わりましたよね |
| 安蘭: |
…っていうか、私は、とよこの桃太郎が大好き |
一同笑う
| 涼: |
キャラクター、いただきましたね(笑)…でも、しいちゃん(立樹)もそうですけど、あの箱のなかで待っている時間が唯一、やすらぎみたいな |
| 立樹: |
まっ暗なんだから、箱の中。舞台稽古のときどうしようかと思った |
| 涼: |
ホント、気持ち悪くなりそうだった。長かったしね |
| 立樹: |
そう。ちょっとのぼせちゃって(笑)。私は、さっきのとよこと一緒ですけど、始まったらすぐ終わっちゃうっていう感じで。で、セットがすごく綺麗。最後のフィナーレの、桜がバーって |
| 安蘭: |
うん、糸桜 |
| 立樹: |
糸桜が、あの場面だけじゃもったいないなって思うぐらい、ホントに綺麗で。稽古場では鏡を見ていて自分の姿とかも見えちゃうのでガチゴチになっちゃうけど、やっぱり照明とか雰囲気とか衣装とかがあって、できないなりにもちょっとはんなりとできるようになったかなぁ、どうかなぁ、ぐらいな感じなんですけど、でも、すごく楽しい |
日本物特有の幕開き"チョンパ"について、初舞台生について、特別出演の松本悠里について、フィナーレの「一竹辻が花染」の衣装についてなど、話は続きます。この辺りはぜひ放送でお楽しみください。
●最後にだまされるのは? どんでん返しの連続『シークレット・ハンター』
『シークレット・ハンター』はカリブ海を舞台に、安蘭演じる詐欺師のダグが、遠野演じるプリンセス、ジェニファーを盗み出すところから始まるコメディ。どんでん返しの連続で、騙すつもりが騙されて…というお話です。ダグに仕事を持ちかける親友セルジオに柚希、殺し屋で通称"男爵"のジョエルに立樹、ボディガードのマックスに涼というキャストです。
| 安蘭: |
もう、ホントに最後でね、大どんでん返しで。私、ホントに、ヘェー!? って(笑)。話も全部知っているんだけど、最後に、改めていつもびっくりするの |
| 涼: |
いつも、本当にびっくりされるでしょう? |
| 安蘭: |
えぇ!? って。セルジオが出てくると、なんでセルジオ出てくるの? って… |
| 柚希: |
これもあれも、全部ですよね(笑) |
| 安蘭: |
全部だまされたからさ、アチャーって |
| 涼: |
大ドッキリですよね |
| 安蘭: |
大ドッキリ。すごい! |
| 涼: |
ドッキリ(笑)。ドッキリマル秘… |
| 安蘭: |
本当(苦笑) |
| 涼: |
とうこさん報告! |
| 安蘭: |
(膝をたたいて苦笑) |
| 立樹: |
で、初日開いて、何かありました? |
| 安蘭: |
何かあったかなぁ…。(遠野に)あった? |
| 遠野: |
うーん |
| 安蘭: |
思いだそう |
| 立樹: |
とうこさん、出ずっぱりだからね |
| 安蘭: |
ホントひたすら、汗かいてね。でも早変わりとかもちゃんと間に合っているしね。通称オバチャンの後ろで着替えてる |
| 立樹: |
(笑)通称オバチャンっていうのを、まず説明を |
| 安蘭: |
通称オバチャンっていうのは(笑)、カーニバルの場面で出てくる後ろの女性のセット |
| 立樹: |
あれをオバチャンって言うんですけど |
| 柚希: |
なんでオバチャンって言うんですか |
| 安蘭: |
あれ、誰が決めた? |
| 立樹: |
先生方がみんな言ってた |
| 安蘭: |
そうだよね、先生方が… |
| 柚希: |
最初から、ここにオバチャンがいます、って |
| 安蘭: |
そう、言ってた。みんなでもう、オバチャンって言ってたみたい(笑)、スタッフの先生方が |
| 遠野: |
(笑) |
| 安蘭: |
その後ろでスペイン軍に着替えて |
| 立樹: |
ねぇー、間にあってるね |
| 安蘭: |
間にあって出ていって。で、あすかを着替えさせて。で、しいちゃんのグループに入るじゃんか…で、しいちゃんから見えないように(笑) |
| 立樹: |
1回、目が合いました(笑)。すみませんでした。私ね、なんで見ちゃったのかな、あぁ合っちゃったと思って |
| 安蘭: |
(笑)合った、合った |
| 立樹: |
もう、それから見ないように(笑)…とうこさんも見てないから |
| 安蘭: |
そうそう。…合っても気づかなかったらいい(笑)。ハラハラするのよあれ、男爵にばれてないかなって |
●「幸せです」…主演お披露目の安蘭。そして遠野
今回、主演お披露目となった安蘭と遠野。最後に、今の心境を語ります。
| 立樹: |
とうこさんとあすかの、お披露目公演ですが |
| 一同: |
(拍手)おめでとうございます |
| 立樹: |
どうですか? |
| 安蘭: |
ねぇ〜ホントに幸せでいっぱいで、毎日公演している感じ。羽根を背負って降りてくるときに、そこまで本当にドタバタしてバーッとやって、ようやくそこにたどり着いて、すごいしんどいはずなのに、気持は晴れ晴れしているから、あそこでまた生き生きしだす。すごい、幸せです |
| 遠野: |
(ニコニコ) |
| 涼: |
すごくいい曲です。あれは |
| 柚希: |
そお〜 |
| 涼: |
とうこさんのお披露目にふさわしい |
| 安蘭: |
いい曲だよね、あれは。みんなが迎えてくれるその顔とかが見えてね…初日はホントに、やばかった |
| 柚希: |
鳴りやまなかったですよね |
| 立樹: |
拍手がね |
| 涼: |
あの空間あるじゃないですか。空になって、拍手になって、歌いはる瞬間までの間。あれいいですよね、とうこさんのタメが |
| 安蘭: |
ほんとに? |
| 涼: |
(笑)グッとくる |
| 安蘭: |
もうちょっとタメようかな(笑)…ずっとその拍手を受けていたいような感じ。だからみんなにその気持ちを分けてあげたい感じ。…なんだよ〜ん(笑) |
| 遠野: |
重いですか? 羽根は |
| 安蘭: |
(うなずいて)重い。本当に重い。私の同期の、春野と朝海が経験してるので、彼女たちにいろいろアドバイスを聞いて。"羽根って重いんだけど、どしたらいいの?"って聞いたら、"仕方がないよ"って |
一同笑う
| 安蘭: |
アドバイスになってない(笑)。重いもんや、って言ってた。そうかぁって。で、コムちゃん(朝海)は、2作目ぐらいからコツがわかってきたって言った。で、おさ(春野)は、お辞儀するときにクッと上げるんだよ、って。なんかあるみたい。その重さは軽く感じることはない、って |
| 涼: |
なんかあったら受け止めますから。トントン(柚希の肩をたたいて) |
| 柚希: |
(下から受け止める仕種) |
| 安蘭: |
(笑)頼もしいわ〜。…幸せです。あすかは? |
| 遠野: |
私は、銀橋でとうこさんとお辞儀するじゃないですか |
| 安蘭: |
うん、うん |
| 遠野: |
あのときぐらいですね、実感するの。なんだかあそこが毎日すごく幸せで。と、思いきや、幕が降りたらまた化粧替えでバタバタじゃないですか。なので、本当にあの短い時間だけ、毎日、満喫してる感じです。でも私、自分のことより、やっぱりとうこさんがトップになれたことがうれしい。だからいつも迎えているときが、楽しい |
| 安蘭: |
ありがとうございます、アハハハ…。みんなに喜んでもらえて、支えてもらって、本当にありがたいなぁってつくづく感じて…こんな幸せでいいのかな、って思いながら、やってるんだけど。でもきっとみんなも、同じ幸せ感とかっていうのを…少しでも感じてくれてればいいなぁって思っている感じ |
しんみりと語る安蘭でした。美しい日本物のショー『さくら』と、コミカルで賑やかな『シークレット・ハンター』。しっとりと、また明るく楽しく、星組の魅力が全開している公演です。率直で気どりのない安蘭のトークに、明るく応える遠野、柚希、立樹、涼。新生星組の温かい雰囲気とチームワークが伝わってくる、楽しい座談会でした。