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NOW ON STAGE 花組・東京宝塚劇場公演『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』『TUXEDO JAZZ』


花組・東京宝塚劇場公演
『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』
『TUXEDO JAZZ』

東京宝塚劇場公演
2007.4.6(金)〜5.13(日)

→ 詳しい公演情報は宝塚オフィシャルページへ

番組プレビュー

出演者

出演者の写真をクリックするとその他の出演番組がご覧いただけます。


春野寿美礼

桜乃彩音

夏美よう

朝夏まなと

野々すみ花
 

解説

グランド・ロマンス
『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』
〜江戸川乱歩作「黒蜥蜴」より〜

脚本・演出/木村信司

 これまでにも様々に映画化、舞台化がされている江戸川乱歩作「黒蜥蜴」。宝塚版では、時代を先の大戦後に移し、憂いを秘めた名探偵・明智小五郎と、洋装から和装へと変幻自在に姿を変える女賊・黒蜥蜴とのスリルとサスペンスに満ちた物語を展開、三島由紀夫版とは違う宝塚歌劇ならではの結末へと進んでいきます。
 探偵・明智小五郎は、宝石商の岩瀬に雇われる。娘の早苗を誘拐すると、岩瀬に予告状が来たためであった。早苗と親しい緑川夫人(実は怪盗・黒蜥蜴)は、明智に賭けを申し出る。もし早苗が誘拐されたら、明智には探偵をやめてもらう。そしてもし明智が賊を捕らえたら、自分の宝石をすべて差し出そうと。探偵と怪盗、両者による奇妙な賭けが成立する。
 緑川夫人が早苗を自室に誘う。緑川の手下・雨宮は早苗を薬で気絶させ、大きなトランクに押し込む。その間に、緑川夫人は早苗に変装する。今夜2時に早苗をさらうという電報が届く。岩瀬は早苗ならベッドで寝ていると一笑にふす。しかしベッドには人形の首が。早苗はさらわれた。一同は明智を責める。

ショー
『TUXEDO JAZZ』

作・演出/荻田浩一

 1920年代から1950年代のアメリカ―古き良きブロードウェイ、華麗なるフォーリーズ、絢爛たるジャズとマンハッタンの煌き。そんなハイソサエティの神話が生きていた時代のアメリカをテーマにした、大人っぽい華やかさと、瑞々しい闊達さを併せ持つショー。


『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』とショー『TUXEDO JAZZ』…意欲作が並んだ花組公演が東京宝塚劇場にやってきました。『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』は江戸川乱歩の耽美作を、木村信司が時代を第二次世界大戦後に変えて大胆に脚色。明智小五郎と怪盗・黒蜥蜴の愛の物語として読みかえた意欲作です。共に戦災孤児だった明智と黒蜥蜴が実は兄妹だったという結末に、涙を流した人も多かったことでしょう。『TUXEDO JAZZ』は荻田浩一得意の、暗転なしで場面が次々となめらかに変わっていくショーで、全編にジャズが流れます。今回の座談会には、春野寿美礼、桜乃彩音の主演コンビに、夏美よう組長、そして朝夏まなと、野々すみ花の新人公演主演コンビが出席。大劇場公演を終え、東京へのお稽古中の座談会で、舞台を経験したからこその新たな発見や、東京への意気込みを語ります。

 

●『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』
…凄みを増してきた黒トカゲ・桜乃

まずは演劇作品『明智小五郎の事件簿−黒蜥蜴』について。春野が「大劇場公演を1か月ちょっとやって、黒トカゲ、どうでしたか」と、いきなり黒トカゲ・桜乃に話を振ります。楚々とした娘役の桜乃が、公演ごとに凄みを増す女盗ぶりに、春野や夏美も驚嘆の様子です。

桜乃: …舞台に立って、空間が広がったり、セットやお衣装で役に入りやすくなったという点と、1か月半やってきて、わるい意味で演じることに慣れてしまったところもすごくあるなと思って。やはり東京に向けてのお稽古はすごく大切だなと感じているところでございます
春野: うーん(笑)。でも日に日に黒トカゲ、
すごく迫力増していったと思いません?
夏美: そう来るかぁ! みたいなね
春野: それはすごく感じてました
夏美: 眼力に押されまくってるからね
桜乃: それが…ところどころで気持が置き去りになっているところがちょっと出てきてしまっているというのに気づいて、今日と明日、通し稽古ができるので、もう一度原点に帰って、素直になって、通してみたいなって思います
 

●今回は第3場をとくに見つめ直したい…春野

続けて春野。原点に戻って見つめ直したい気持ちは、桜乃だけでなく、春野も同じ。とくに第3場、早苗が緑川、実は黒トカゲの手で誘拐され、明智が犯人は緑川だと言い当て、彼女が拳銃を手に逃走するという、ホテルの場面を見つめ直したいと言います。

春野: 稽古場に帰ってきて鏡を見ると、あれ!? っていうことを何回も経験しているので、私もそうだな。大劇場で長い間、毎日、毎日、公演して、ここはちゃんと形としてお客さまの目に印象づけなければいけないっていうところとかも、私たちは毎日公演してるから慣れちゃって、流れていって印象に残らない場面になっちゃったりするところがけっこうあるなぁと思った
夏美: 怖いよね、それ
春野: 全部の場面でそうなんですけど、とくに私は今回、第3場の長いホテルの場面あるじゃない(笑)、あそこの場面。事件が起きて、謎を解いて解決して、またそこから黒トカゲがピストルを撃って逃げていって、事件が始まるっていう、あの1場面の中ですごくいろんなことが起きてるじゃない? あそこを流しちゃいけないなぁと思って。あの場面をしっかり、明智の気持ちとしても十分あらわして生きたいんだけど、形としてもちゃんと残していきたいという思いが…
夏美: 次に向かってつながって、始まっていくところだからね
春野: そうそうそう。それがありますね。…でもけっこう難しいですよね
夏美: 難しい。本当に難しい
春野: 私、一人でずっとしゃべってたりするじゃないですか。だけどただ一人でしゃべっているんじゃなくて、みなさんの居方とかそういうのも際立ってほしいなと…
夏美: でも明智小五郎の目線で、なにかみんなに対して動いていくところあるじゃない? それが公演するにしたがって、たとえば電話とったあと聞きながら黒トカゲを見たりとか、波越さんを見たりとかって、そういうおさ(春野)の目線だけでモノが動いていく、それによってみんながオヨっとなるみたいな、そのあたりが、やっていくうちにどんどん感じるようになっていった
春野: だからもうちょっと完成、今でも十分あれなんですけど、もう少しレベルアップできたらと…(笑)。あの場面だけでも芸術的なものになるんじゃないかなみたいな、そんな感じがして。今回、あの3場をもう一回見つめ直したいなと思っています(笑)
桜乃: 私たちもがんばります
 
 

●抜かしてはいけない言葉を大切に…夏美

宝石商岩瀬を演じる夏美、言葉を大切に届ける難しさを感じています。

夏美: 木村先生が本読みからずっとおっしゃっていることで、推理小説だから絶対に抜かしちゃいけない言葉とか、お客さまの耳に自然に、こじ開けてでも入れなきゃいけない言葉とか、そういうものがやっぱりあるでしょ
春野: うーん、うん
夏美: だから、いつもセリフは大切だなって思うんだけど、それ以上に、言葉も大切だし、言葉の勢いとか色とかっていうもの、そういうものをお客さまに感じていただくには、すごく難しいし、すごく集中力がいるね
春野: いりますね。私、あの、はじめて観るお客さまばっかりじゃなくて、もう内容がわかってらっしゃる方もたくさん観にいらっしゃってるから、その方たちにも、いつでも新鮮な空気を味わっていただくために、やっぱり絶対にどこも手を抜けない
夏美: そうだよね
春野: いつものラブロマンスとはちょっと違うので、難しい! って思ったことが何回もあったんですけど(笑)
 

●朝夏と野々…大劇場での新人公演を経験して

新人公演主演コンビの朝夏と野々。大劇場での経験をふまえた東京新人公演への抱負を語ります。まずは朝夏から。

春野: 新人公演では明智小五郎を演じて、どんな感想を
朝夏: 本当に難しかったです。まず、さっきおささんもおっしゃったんですけど、そのホテルの場面のセリフが、頭に入ってこなくって…
春野: (笑)私も入ってこなかった、最初。なかなかできなかった、あそこ
夏美: あの場面、みんなそうみたい
春野: やっぱりみんなでかけ合いながら緊迫感を作っているから、ちゃんと覚えてこないとその緊迫感を作り上げられない
夏美: 気持ばっかり焦るんだよね
春野: 間違えちゃうとみんなでダウンしちゃうから、作り上げるのがなかなか難しかったですね。自分が間違えたときも、私のせいでごめんなさい、みたいな(笑)…そんな苦労あるよね
朝夏: 覚えることがたくさんで。自分一人では頭に入ったと思っていても、実際その場面になってみなさんと合わせてやると、あぁ、もうダメだ! って(笑)、弱気になって、難しかったです

野々は研3(大劇場公演時は研2)というキャリアで、本公演では早苗と早苗の替え玉の葉子に挑戦。新人離れした演技力を見せています。新人公演では黒トカゲで新人公演初ヒロインです。

夏美: すみか(野々)、今回、頭からいっぱいいろんなやらなきゃいけないことがあるし
野々: はい
夏美: お芝居には長いこと出てるし。どうだった? 本公演は
野々: 本公演は、初日が開けてからも、まだまだ自分のことに必死になりすぎてしまって、自分も見えなくて周りも見えない状態がすごく続いていて、気持だけが焦ってしまっていたんですけど、だんだんやっていくうちに少しずつ周りがちょっとだけ見えてきたような気がして。そうすると毎日いろんな発見があって、楽しいというか、自分もお芝居に参加しているっていう気持がだんだん出てきましたね
春野: でも私、すごい集中力の持ち主だなと思ったんだけど、すみかちゃんて。だって、オフはものすごくおとなし〜い〜、ホントにおとなしいかどうかはわからないけど(笑)。なんだけど、舞台に出て演技をするとか、踊ったり歌ったりするときとかに、けっこう堂々とこなしちゃうので
夏美: ポンとそっちの世界に入れる感じだね
春野: で、上手じゃないですか(笑)。すごい、上手! って思って
夏美: 私が寝てるときに、黒トカゲが演じている早苗にならなきゃいけないから、ときどき薄目開けて見ちゃったんだけど
春野: おぅ!
夏美: (笑)舞台稽古のときとかね。ちゃんとそこから、そこまでの可愛い早苗ちゃんからポンと変わるわけ、セリフのないところでも。そういうところがすごいな、まだこの学年なのに、もう役者さん
春野: すごいね、度胸というか
夏美: で、ふだんけっこうこういうタイプなのに、舞台の上でなにかあったとき冷静なのね。ちゃんと対処していけるってのが、すごいなと思う
野々: (下を向いて)ウフフ…
夏美: …さらわれて戻ってきたときに、何回泣いているか。怖かったらしいの。もうボロボロ泣いているの。震えてるし
野々: …怖かったです、ウフフフ。服、脱がされて…
桜乃: ごめんね!

一同笑う

春野: …でも2人で一緒に組んでやってみて、どうだった?
朝夏: ふつうのお話じゃなくて、明智さんと黒トカゲが対立しあいながらいくというお話だったので、(野々が)やっぱりちょっと遠慮がちに最初はなってしまったりとかしていたので、お互いに思い切りぶつかってやっていこうねって言ってお稽古したんですけど
春野: でも実際本番を見て、すごくのびのびとやっていて。私、いろんなことに縛られちゃって思い通りに動けないのを舞台上で見るのはイヤで、ヘタでもいいから心のままに自由にやってほしいって思ってたから、そういうふうに見えてすごくうれしかった
 

●『TUXEDO JAZZ』…「上級生でしか醸し出せない雰囲気」に感動と春野

ショーの話は下級生から。「ラインダンス以外ではこんなにたくさんの場面に出させていただくのははじめて」という野々、早変わりが大変だそうです。朝夏は幕開き前の銀橋が「新鮮な気持になれるので、好きです」。女役は「上級生の方に微妙の微に女と書いて微女と言われて、それを克服できるようにがんばります」。そんな2人の初々しい話のあとの、夏美と春野の含蓄ある会話を紹介しましょう。話題は、フィナーレ前、春野が矢代鴻とスキャットを披露している場面についてから。春野が出てくる前、朝夏は矢代が歌う場面に出ています。

朝夏: 矢代さんの歌が、毎公演、アレンジが変わるんです!
春野: すごいよねぇ
夏美: 私も聞いてて、ウワァーって
春野: そのあと歌うのが、ちょっとイヤになってくる。次に大階段で、シャバダバドゥって歌うんですけど、どうしよう!? って思う
夏美: シビ(矢代)さんとセッションしてるよね
春野: してますけど…。やっぱりすごいですね、舞台人として。本当にキャリアが
夏美: あの人のジャズを聴きに公演に行きたいっていうお客さまがいらっしゃる
春野: 難しいですけどね、あのスキャット。でも楽しんでやってます
夏美: すごい楽しみだった、おさとシビさんが歌うのが。歌が本当にうまい人たちが自由に声を出してセッションしていくのがとってもジャズっぽくて気持ちがいいし、そこに微妙な緊張感が2人ともあるところがまたすごく素敵で。得したなって見てた
桜乃: 着替えながら聞こえるのが、すごいうれしいです
春野: あのセッションが終わったあとにみんなが両サイドから来るんですけど、ホッとしますね(笑)
 
春野: はっちさん(夏美)は、サックス吹いている
夏美: 相方、私の
春野: でも似合ってますよ
夏美: 指使いを教わって、一生懸命(オケに)合わせようと思うんだけど、一貫しているからすごく楽。全部が通っていけるから。私もちょっとだけだけどシビさんと歌わせていただいて。いつもシビさんには振られる役が多いけど、相手にされない役。『マラケシュ』のときもそうだったし(笑)、ずっとそうだったのよ。で今回ショーでまた、歌って行ったら、(矢代が)行っちゃった! みたいな
春野: アハハハ…
夏美: そういう自分が好きなんですけど
春野: でもアダルトな雰囲気がすごく出てますよね
夏美: すごい素敵だね、シビさんがかもし出す雰囲気が。
近寄りがたい大人のいい女って感じで
春野: でも上級生にしか醸し出せない雰囲気ってありますよね。もちろんはっちさんもそうですよね。はっちさんにしか出せないアダルトな雰囲気っていうのはすごくありますよ
夏美: やっぱりエネルギーがすごい、下級生と違ってね。その時代を通ってきたあとになったら、やっぱりそこに色っていうもの? ショーに色をつけていくときにはそれに専念したいし。まりん(悠真倫)とかみんなが、ちょっとしたことでいろんな色を出してるでしょ? みとさん(梨花ますみ)とか。そういうのってやっぱり素敵だなって思う
桜乃: プロローグではっちさん、サックス持って吹いてらっしゃるじゃないですか。あのお姿だけでもすごい、魅力的です
春野: うーん、魅力的(笑)
夏美: (照れ笑い)だからみんながキラキラしているなかで、味付けをしていきたい
 

座談会終盤は、東京公演恒例のQ&A。野々から桜乃へ「お芝居の変装でいちばん好きな衣装は?」、朝夏から春野へ「お芝居でいちばん好きなセリフは?」など興味深い質問が続きますが、ここはぜひ放送で。組長・夏美を中心に、春野、桜乃もリラックス。やや緊張気味の朝夏、野々も一生懸命語り、内容充実の座談会でした。

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