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NOW ON STAGE 月組・宝塚大劇場公演『MAHOROBA−遥か彼方YAMATO−』『マジシャンの憂鬱』



スピリチュアル・シンフォニー
『MAHOROBA』
−遥か彼方YAMATO−
作・演出・振付/謝珠栄
時代を超えて伝承されてきた伝統芸能、民族舞踊にスポットを当て、洋楽のリズム感や華やかさを織り込みながら、古典の面白味、エッセンスを込めたショー作品。過去と未来、生と死、北と南といった両極を行き来しつつ、春の芽生え、夏の猛々しさ、実りの秋、冬の厳しさから再生の春へと移り変わる、アジアのみならず世界に誇る、日本の四季の変わらぬ豊かさ、美しさを表現する。気鋭の三味線奏者・上妻宏光氏がクライマックスシーンの音楽を担当。
ミュージカル
『マジシャンの憂鬱』
作・演出/正塚晴彦
ダンディなマジシャンが、皇太子妃の事故死の真相解明を依頼されたことから、皇太子妃の侍女と共に、事件解決に当たる過程を通して、個性の違う男女が、如何に出会い、如何に反目し、やがては心を通わせていくかを描いた、宝塚歌劇らしい華やかで夢のあるミュージカル作品。
20世紀中葉のヨーロッパのとある国。シャンドールは上流階級では有名なクロースアップマジシャンである。ある日、貴族の女性から愛犬が行方不明であることを聞いたシャンドールは、一枚のカードをその愛犬に見立て、それを探し出すというマジックを即興で演じてみせる。後日、シャンドールは愛犬が彼の予測したのとほとんど変わらない状況で、無事に発見されたという知らせを受け取る。この事が発端となり、彼のもとには風変わりな依頼が舞い込み始める。彼は、一時の慰めになればと、依頼者からの情報をもとに即興で構成したマジックを披露する。しかしそのいくつかが実際に解決してしまい、人々の間では、シャンドールの透視能力の噂がまことしやかに囁かれ始める。
そんなある日、シャンドールは皇太子ボルディジャールの極秘の訪問を受ける。皇太子はシャンドールに、3年前に事故死した妃マレークの死の真相を突き止めて欲しいと請願する。皇太子曰く、マレークは夜毎夢枕に立ち、自分は謀殺されたと訴えるという。マレークの無念を晴らしたいと切々と語る皇太子を前に、シャンドールは透視能力など嘘であると白状するわけにもいかず、依頼を引き受けてしまう。彼にできることはただ一つ、結局マレークの死は事故死であると結論づける事。そう考えたシャンドールは、早速行動を開始する。
調査を開始したシャンドールの身の回りには不可解な出来事が起こり始める。それは、かねてからの相談相手であるラースローやジグモンドについても同様であった。事故現場を訪れたシャンドールは、狙撃され危うく命を落としかける。彼を救ったのは、ヴェロニカという元マレークの侍女であった。最早、皇太子妃の暗殺を疑う余地はなかった。そしてヴェロニカ達もまた、マレークの死に疑問を持っていた。シャンドールはあるアイディアを思いつく・・・・・・。
宝塚大劇場では、瀬奈じゅんと彩乃かなみを中心とした月組が、専科から矢代鴻、萬あきら、未沙のえるを迎えて、公演中です。作品は、卒業生でもある謝珠栄が作・演出したショー『MAHOROBA−遥か彼方YAMATO−』と、正塚晴彦作・演出のミュージカル『マジシャンの憂鬱』。宝塚にはかつて演出家・渡辺武雄(現・名誉理事)を中心とした郷土芸能研究会があり、日本各地の民俗芸能を現地取材し、民俗舞踊ショー・シリーズとして何作も舞台化。大きな成果を上げてきました。『MAHOROBA』は、その郷土芸能研究会の膨大な資料にインスパイアされた謝が、日本、そしてアジアの伝統芸能、民俗舞踊にスポットを当て、洋楽のリズムも織り込みながら構成したショーです。『マジシャンの憂鬱』は、ダンディなマジシャンが皇太子妃の事故死の真相を究明する過程で、皇太子妃の侍女と心を通わせていく様を描いています。今回の座談会には、瀬奈、彩乃、そして霧矢大夢、大空祐飛、遼河はるひが登場。初日が開いて少したった手応えなどを語ります。そこからかいつまんで紹介しましょう。演出の謝と正塚のインタビューも興味深いのですが、そちらは放送でお楽しみください。
●『MAHOROBA』…プロローグの瀬奈と彩乃は「親心」
『MAHOROBA』のモチーフは古事記。イザナギとイザナミの国造り、神造りから始まり、YAMATOの英雄オウスの誕生、冒険、死、そして再生が、民俗舞踊を織りまぜながらつづられます。瀬奈はオウスとイザナギ、彩乃はオトタチバナヒメとイザナミ、霧矢はサルメ、大空はサダル、遼河はオオヤマツミをしています。自己紹介のあと、初日が開いた感想を…。
| 瀬奈: |
初日が開いて3日たちました。
…あれ!? 3日? |
| 大空: |
今日が3日目 |
| 瀬奈: |
それしかたってないんだよねぇ(笑)。
だんだん慣れてきたんだけど、もっと長くやってるように思うんだ |
| 霧矢: |
お稽古場から密度が濃いというか。もちろんダンスもすごいんですけど、小道具も使われてますし、いつものショーとは全然違った緊張感ですね |
| 瀬奈: |
プロローグも豪華だよね〜。ただ衣装とかセットとかLEDとかに負けないようにしなきゃいけないなとすごく思うんだけど。…私とみほこ(彩乃)はイザナギとイザナミでみんなを産み出す、みんなの親みたいな感じじゃない? お父さん、お母さんみたいな感じで、一人一人が出てくるのを見ているとね、感動! あ、また産まれた! って(笑) |
| 彩乃: |
(うなずく) |
| 霧矢: |
親心(笑) |
| 瀬奈: |
そうそうそう(笑)。私、最後に(彩乃と)2人とポーズしてせり上がるときにちょうど、サルメとサダルがせり上がってくるのが視界に入るの。すごく感動するの、それだけで。で、上にいるから、みんながこう沸いてくるのがわかる。すごく、きれい… |
| 大空: |
一度も遠目で、プロローグの全体像を見たことがないから、どう見えてるんだろう? ってすごく思うんだけど、きっとあちらこちらでいろんなことが次々に起こって、たぶんお客さまはまばたきをするひまもないんだろうね |
| 瀬奈: |
…AHIちゃん(遼河)は、あぁいう衣装、ホントに似合うね |
一同笑う
| 遼河: |
(照れて)ありがとうございます |
| 瀬奈: |
ホントに似合っているよ |
| 遼河: |
最初は酋長みたいだったけど(笑) |
| 瀬奈: |
(笑)びっくりしたよね、あれ |
| 遼河: |
まだ稽古場のときに『このかぶり物です』ってのせて写メールでみんなに見せたら『酋長か』って言われて(笑) |
| 瀬奈: |
あんがい(舞台の)お化粧した方がすっきりしてるのよね |
| 遼河: |
そう |
| 瀬奈: |
ふつうの化粧であれを被ると、酋長みたい(笑) |
| 遼河: |
あのときは、どうするんだろう、私? って思いましたね |
| 大空: |
みんなが並ぶと、みんな激しいからね、どうってことない |
| 遼河: |
(笑)よかった |
●瀬奈・オウスは最初16歳。女装します
国造りのプロローグから、YAMATOの英雄オウスの場面に。女装してクマソ退治までは16歳なのです。
| 瀬奈: |
オウス誕生の場面は、私お稽古場でやりすぎちゃってね、16歳を(笑) |
| 霧矢: |
そんなことないですよ |
| 瀬奈: |
(霧矢に)ありがとう |
| 大空: |
得意だものね |
| 瀬奈: |
得意だから(笑)やっちゃったら、ちょっとカマトトすぎないか、って先生に言われて。で、調子にのっちゃいました、すみません、って(笑)。ちょっと落ち着かせて、今はやってるの。でもあそこの女装のところまでは16歳なんだよ。女装してクマソ退治までは。ホントは古事記では1人だけど、今回は2人(霧矢、大空)もいて、3人で女装(笑)。最初は度肝ぬかれたよね |
| 大空: |
どうなることだろうと思ったよね、打ち合わせのときは |
| 霧矢: |
男役の衣装の上から着なきゃいけないから… |
| 瀬奈: |
シャレにならない(笑)。見てよ、この大女たち、って |
| 大空: |
すごいボリュームになっちゃってね(笑) |
| 霧矢: |
ホントにすごかった(笑) |
| 瀬奈: |
それで極力絞って、絞って… |
| 霧矢: |
女に見えるのかなぁ? |
| 遼河: |
見えてますよ。ちゃんとそそられている… |
| 瀬奈: |
そそられている…。ありがとう |
| 大空: |
そこが大事じゃない。そそられている演技で私たちもより女らしくなれる、相乗効果で |
| 瀬奈: |
反応してくれないとね |
| 遼河: |
(瀬奈に)もっと色目を使ってって… |
| 瀬奈: |
今日言われたの、謝先生に。もっとAHIとそのか(桐生園加)に色目を使って! って。(うなずいて)わかりましたって(笑)。でも私、調子にのってたから、初日の次の日にはすでにAHIちゃんにウィンクしてた(笑) |
| 遼河: |
でもすごく素敵ですよ、あそこの回転(手でOKのサインをして) |
| 瀬奈: |
いつもAHIちゃん、私にOK出してくれる |
一同笑う
| 瀬奈: |
(彩乃に)どう? |
| 彩乃: |
私、あそこ、袖から見えるんですよ |
| 瀬奈: |
何!? あの大女たちっては、って(笑) |
| 彩乃: |
(笑)思ってないですよ! みなさんがお衣装合わせのとき、衣装がすごく大きくて腰を振る振りが全然見えない、とかおっしゃっていたけど、そんなことないですよ。すごく見えてますよ… |
| 瀬奈: |
そりゃぁ、みほこさんに比べたら… |
| 彩乃: |
そんなことないですよ! |
| 霧矢: |
彩乃センパイ(笑) |
| 大空: |
同じ場面に女役さんがいなくてよかったね |
| 瀬奈: |
…じゃぁこれからも見守ってください、彩乃センパイ |
| 彩乃: |
(笑いくずれる) |
鮮やかなピルエットを披露している霧矢、民俗舞踊の連続で盛り上がる中詰め、初セリの遼河、菅笠踊りの収穫物の飾りが見どころという大空、嵐のシーンの舟がグラグラして「みんなサーファーみたい」と瀬奈、リフトされながら歌う彩乃のすごさなど、楽しいおしゃべりが続きますが、残りはぜひ放送で。
●『マジシャンの憂鬱』…シャンドール役は楽しいと瀬奈
続いて『マジシャンの憂鬱』について。まず、それぞれの役に関しての印象を、瀬奈が彩乃のヴェロニカについて(「キリッとしていてとにかく格好いい。みほこの役のなかでいちばん好きかも)、彩乃が霧矢の皇太子ボルディジャールについて、霧矢が大空のシャンドールの仲間で発明家のジグモンドについて、大空が遼河のシャンドールの仲間で「自称二枚目」の俳優のヤーノシュについて語っています。そして瀬奈が、マジック監修の前田知洋氏から教わったカードさばきを披露したあとマジックから学んだこと、さらに自身のシャンドール役について話します。
| 霧矢: |
ああいうマジシャンの方って人の視線を引きつける術が、すごいですよね |
| 瀬奈: |
重心とか目の配り方、カードの持っていき方とか見せ方…ハートだから心臓に持っていくとか、人を惹きつけるのに人間の心理みたいなものを利用するの。それは、マジックだけでなくて、こういう仕事をしている以上、すごく勉強になったね。役としては…楽しいね。ようちゃん(大空)が、ふだんのアサコ(瀬奈)みたいだって言ったけど… |
| 大空: |
それが生かされてるね、って |
| 瀬奈: |
フフ… |
| 大空: |
ふざけすぎないんだけど、ちょっとおもしろい、みたいな… |
| 瀬奈: |
(笑)ひょうひょうとしてるけど、みんなのことがすごく大好きで。
多くは語らないけども、夢を持ってるっていうところがね |
| 霧矢: |
それこそ同居している方々もそうですし、私たちとかもそうですけど、その想いが重いじゃないですか? 周りの人がみんなそうで、みなさんがシャンドールさん、シャンドールさんって頼ってきて。でもそこでワーッというふうにならない、そこが… |
| 大空: |
ちょっと憂鬱気味… |
| 霧矢: |
憂鬱気味ぐらいの感じで、スッとこなされていて |
| 瀬奈: |
なんかそれが心地いいんだよね。みんなから頼られちゃっていることが憂鬱なんでなくて、頼られちゃってるのに何もしてあげられなかったり、そこまでの力がない孤独なところ、そこが憂鬱ってところが、もしかしたら自分にも当てはまるかもしれないと思う。…できることなら助けてあげたい、できることならこうしてあげたい、だけど中途半端なことはできない、中途半端に首を突っ込んだらいけないとか、そういうところがね。やれないことはやらないみたいなところがすごく潔い人物だなと思う。でも金儲けのために首を突っ込んじゃうんだけどね(笑)。だけど最後まで絶対に解決するという責任感があって、筋が通っているけど、それを言葉にしないから、あぁいい男だな、って思う(笑)。みんなが好きな分、シャンドールさんもみんなのこと、きっと大好きだと思うよ |
専科から出演の、矢代、未沙のおもしろさ、正塚初のパレードがついたフィナーレのことなど、その後も話がはずみます。放送で全部見てください。楽しいですよ。
いつにもましてリラックスした表情の瀬奈、その瀬奈をやわらかに受けつつときおりおかしい彩乃、礼儀正しくキュートな霧矢、同期として瀬奈をフォローする大空、穏やかな笑顔の遼河…月組の充実ぶりがうかがえる、楽しくなごやかな座談会でした。