HOME > NOW ON STAGEダイジェスト[花組・宝塚大劇場公演『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』『ラブ・シンフォニー』]

NOW ON STAGE 花組・宝塚大劇場公演
『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』『ラブ・シンフォニー』



ミュージカル・ピカレスク
『アデュー・マルセイユ』
−マルセイユへ愛を込めて−
作・演出/小池修一郎
1930年代初頭のマルセイユを舞台にした、ピカレスク・ロマン風味溢れるミュージカル。禁酒法時代のアメリカに高級ワインを密輸する計画を持つ粋でダンディな男と、マルセイユを浄化するために努力する清純な女の間に恋が生まれ、偽札事件に巻き込まれて行く。春野寿美礼のサヨナラ公演である。
1930年代初頭。アメリカで禁酒法が実施されていた時代。美しい港町マルセイユは、マフィアが支配するフランス一の犯罪都市でもあった。
この町で生まれ育った男ジェラール・クレマンが14年ぶりに帰って来る。街の歓楽街を仕切る「夜の帝王」シモン・ルノーが出迎える。駅前の大階段で、対立するオリオンとスコルピオの二派のギャング同士が女を巡って争い、女をかくまった観光ガイドのマリアンヌは、ジェラールに助けられるが「マルセイユを汚す夜の男たちの助けは受けない」と拒否し立ち去る。ジェラールは、少年時代親友シモンを助けるため、濡れ衣を着て少年院に送られたが、今はアメリカン・マフィアとの繋がりを持ち、高級ワインの密輸ルート開拓の為シモンに力を貸して欲しいと言って帰郷したのだ。
実はジェラールは、少年院での模範生ぶりを国際刑事警察の創設者に見込まれ、今では捜査員となっていた。フランスとアメリカを結ぶマフィアの密輸ルートを探るため、派遣されて来たのだ。ジェラールは、シモンの経営するカジノで人脈を拡げる。
ジェラールは、彼とシモンの母親たちが一緒に働いていたマルセイユ名物のサボン(石鹸)工場を再訪する。今では廃業した工場は、婦人参政権運動「アルテミス婦人同盟」の活動拠点となっており、メンバーは、昼は観光ガイドとして働いていた。アルテミスのリーダーはマリアンヌであり、理解ある市議会議員モーリス・ド・ブロカの指導のもと、ソルボンヌ大学受験を目指していた。廃工場でジェラールとマリアンヌは再会する。ジェラールは、アメリカではマルセイユ石鹸は高級品であることから、婦人同盟の活動資金獲得の為に、サボンを造ることを提案し、モーリスも協力を申し出るが……。
グランド・レビュー
『ラブ・シンフォニー』
作・演出/中村一徳
喜び、出会い、情熱……様々な愛の形、愛の心情を歌とダンスで綴るレビュー。華やかなパリ・レビューのオープニングから、ラテン音楽にのせての情熱的なダンスシーン、明るいジャズの世界など、あらゆるジャンルの音楽の世界を駆け巡り、愛の喜び、美しさを繰り広げます。
花組・主演男役、春野寿美礼の退団公演が、宝塚大劇場でいよいよ始まりました。作品は、小池修一郎作・演出のミュージカル『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』と、中村一徳作・演出のレビュー『ラブ・シンフォニー』。5年に亘って花組の中心スターとして活躍してきた春野のサヨナラ公演に、劇場では連日大きな拍手が沸いています。今回の座談会には、春野と相手役の桜乃彩音、さらに真飛聖、壮一帆、愛音羽麗が出席。作品について、それぞれの出番について、初日が開いて少したった手応えなどを語っています。端々に別れの感傷をにじませながらも、明るく語る春野の言葉、表情が聞きどころ、見どころでしょうか。それは見送る側の桜乃、真飛、壮、愛音についても同じこと。そこから少し紹介してみましょう。演出の小池、中村のインタビューも聞き応え十分ですが、そちらは放送でお楽しみください。
●孤独と秘密を抱えて生きている男の話…『アデュー・マルセイユ』
役について、春野自身が「孤独と秘密を抱えて生きている、ジェラール・クレマン、またはルイ・マレー、そしてジョジョを演じます。一つの役ですが」と語っています。そんな謎めいた男が14年ぶりに帰ってきたマルセイユで、マフィアのスコルピオ派とオリオン派の戦いに巻き込まれ、婦人参政権運動のリーダー・マリアンヌに出会い、さまざまな人と関わっていきます。物語はまず、マルセイユ駅に見立てた大階段から始まります。
(愛音以外全員が手を挙げる)
| 愛音: |
私は…でも、すごく素敵ですよ |
| 春野: |
大階段を使ってね、男役のカッコいいナンバーを。ホントにカッコいい |
| 真飛: |
お芝居で大階段を最初から使ってるのって、あまりないですよね |
| 春野: |
ないよねぇ。(桜乃に)マルセイユ駅がああいう階段なんでしょ? あやね(桜乃)行ったんだよね |
| 桜乃: |
行ってきました。本当にああいう感じで、大きい広い階段があって、そこに人とかがいっぱい散らばっていて。で、セットを見て、あぁ! って思いました |
| 春野: |
へぇ〜 |
| 愛音: |
あそこに星座が出てくるんですよ。(左を指して歌いながら)〜♪オリオン帝国と |
| 春野: |
え?! そうなの? |
| 愛音: |
で、スコルピオってこっち(右手)に |
| 春野: |
知らなかった(笑) |
| 壮: |
大階段に? |
| 愛音: |
じゃなくて、左上と右上に星座が浮かび上がって |
| 真飛: |
らしいね。みわっちに聞いてはじめて知った |
| 愛音: |
舞台稽古のときに客席で見て、すごい! と思いました |
| 春野: |
へぇ〜。あそこかなりイカツいけど。イカツくやってる? |
| 真飛: |
イカツいですね。えりたん(壮)なんかおヒゲつけてるものね |
| 壮: |
(笑)はい |
| 愛音: |
スコルピオの代理の者です、って(笑)。楽しいですよ |
| 春野: |
楽しいんだ。イカツくやってる? 意識して |
| 壮: |
イカツいのが楽しい(笑)。でもゆうさん(真飛)とすごいですね、バチバチで |
| 真飛: |
バチバチやって、プイって帰ってくの(笑)、笛が鳴ったら。おささん(春野)が登場するくらいのときに笛がビーとなるじゃないですか、そしたらプイって2人で帰っていくの |
| 壮: |
今日はこれぐらいにしといてあげよう、って(笑) |
| 真飛: |
(笑)で、やっとおささんが登場。ファンの人には、やっと! でしょうね |
| 春野: |
(笑)でも私、けっこうスタンバイは早いんだよ。オリオンの人たちが出てくる前に、陰階段でスタンバイして。その前にちゃんとスコルピオの代理の方に(笑)お見送りされて、上手の大階段の陰段のところに行くと、こっちのオリオンのボス(真飛)に、おはようございますと挨拶されて(笑) |
| 真飛: |
どこに行っても挨拶されて(笑) |
| 春野: |
(笑)…大階段でいちばん最初に立って歌い出すのもとってもいい感じ。こんなはじまりってなかったよな! っていう |
●桜乃・マリアンヌとの出会いは最悪。そして真飛・シモンとの再会
ジェラール・春野とマリアンヌ・桜乃の出会いは素っ気ないものでした。そして幼なじみシモン・真飛と再会します。
| 春野: |
(桜乃に)出会いはちょっとあれだよね…素っ気なくされるというか。私のとる行動に、とても驚かれて、なんだろう? この人は、みたいな感じなんだよね |
| 桜乃: |
はい |
| 真飛: |
運命のいたずらがなかったら
どうなってたろうね |
| 春野: |
そう。すごいこと言われて |
| 桜乃: |
最初はやっぱり知らないので、どういう方だとか。
何!? この男の人は! みたいな感じで(笑) |
| 春野: |
そしたら出てくるじゃん |
| 真飛: |
出てきます |
| 春野: |
すごい格好で |
| 愛音: |
(口まねして)ウチの若いモンがどうしたぁ〜 |
| 春野: |
(笑)違う、違う |
| 真飛: |
(笑)オレなのかぁ? って出てくる |
| 春野: |
そうそう |
| 真飛: |
(うさんくさそうに)誰か来たなぁ、みたいな感じでみてません? おささん、あのとき |
| 春野: |
イカツいの出てきたなぁ、みたいな感じで |
| 真飛: |
ジョジョ(ジェラール)はカッコよくなりすぎてて、シモンはわからなかったんです。映画スターみたいなロング・コートを翻して |
| 春野: |
ウフフ…。でもそのあと、やるじゃない。あれ楽しいでしょ |
| 真飛: |
楽しい。振付のときはどうなることかと思ったけど(笑) |
| 春野: |
すごい楽しいよね、あれ。ホントに童心に返って(仕草をしながら歌う)…いいのかなと思いつつ(笑) |
| 真飛: |
そう。私も、大丈夫なのかなオレ、って思いつつ。でも止まんない(笑) |
●今回は女役の愛音と、初ヒゲの壮
愛音は今回、なんと女役。シモンの恋人でミュージック・ホールのスターです。壮は市会議員のモーリスですが、プロローグのスコルピオの男でははじめてヒゲをつけています。
| 真飛: |
いよいよ出てくるんですよね、モスラが |
| 愛音: |
モスラ!?(笑いくずれる) |
| 真飛: |
モスラがブワーッと、バサーッと(羽根を広げる仕草)。
…パリから来てるんですよね、スターが |
| 愛音: |
呼んでいただきまして、ありがとうございます |
| 春野: |
評判、どう? |
| 愛音: |
ええっ!? でもショーとかで女役をさせていただくのと違って、お芝居でずっと通しての女役なので、お客さまの方が最初は、誰!? 誰? みたいな感じで。ファンの方も、最初は私ってわからなかったみたいで…。みたいです! |
(真飛、ずっこける)
| 春野: |
(笑)評判はどう? |
| 愛音: |
どうなんですかね。…わかりません! |
| 春野: |
ファンの方から、きれいでした、とか、さすが愛音さん、とか、ないの? |
| 愛音: |
いやいやいや… |
| 春野: |
(笑)あるでしょう? あるでしょ |
| 愛音: |
今てんてこ舞いなので、もうちょっとなれて落ち着いてできたらなぁと思います。今、女になったり男になったり、女になったり男になったりなので、自分自身がもうちょっと余裕ができたらなと思うんですけど |
| 春野: |
でもお芝居の間はずっと女性でしょ |
| 愛音: |
はい |
| 春野: |
きれいだよね |
| 真飛: |
うん |
| 愛音: |
(照れて)相手役のゆうさん、どうですか |
| 春野: |
みわっちが銀橋で歌っているときに私とゆう、椅子に座って後ろ姿を見てるんだけど、アドリブで、オレの女、どう? って(笑) |
| 真飛: |
すっごい会話してますよね |
| 春野: |
自信満々だもの(笑)。どう? とか言って |
| 愛音: |
恥ずかしい(笑) |
モーリスとしての壮の登場は、オープニングでスコルピオの男「代理の者」をやってだいぶたってから。代理の者はヒゲつきですが、モーリスはヒゲなしです。
| 春野: |
えりたん(壮)の登場はどこ? |
| 壮: |
7場の石鹸工場ですね |
| 春野: |
そこではじめて登場か |
| 壮: |
そうなんです |
| 春野: |
じゃぁ代理の者をやってから…何してるの? その間 |
| 壮: |
おヒゲのあとを消して(笑)。で、口紅をちょっと赤みを足すんですけども、1回忘れちゃったんですよ、(口紅が)はげたまま出ちゃって… |
| 桜乃: |
そんなにはげてなかったですよ |
| 壮: |
こう、手でぼかしたから(笑) |
| 春野: |
ハハハ…おかしい。ヒゲつけるのがはじめてだったとか |
| 壮: |
はじめてなんですよ。新人公演でもつけたことがなくて |
| 春野: |
でも似合っているのが不思議だよね |
| 壮: |
恥ずかしいですね |
| 春野: |
恥ずかしい? すごくカッコいいけど |
| 壮: |
ホントですか |
| 春野: |
うん |
| 壮: |
とりあえず私のファンの方の間ではものすごい衝撃だったみたいで(笑) |
| 春野: |
本当? お父さんに似ているって言われているけど |
| 壮: |
うち、ヒゲがあるもんですから |
| 真飛: |
そうなんだ |
| 壮: |
似てるらしいですよ(笑) |
お芝居について、まだまだ話は続きますが、残りはぜひ放送で。吹っ切れたような春野の笑顔が印象的です。
●レビュー『ラブ・シンフォニー』…最後のデュエットダンスに込める、春野の想い
『ラブ・シンフォニー』は、喜び、出会い、情熱など、さまざまな愛の形、心情を歌とダンスでつづったレビュー。華やかなパリ・レビューのオープニングからフィナーレまで、小粋なジャズ、ラテンの中詰め、哀愁のスパニッシュなど、トークは順を追ってはずみますが、ここで紹介したいのは、フィナーレのデュエットダンスについてのトーク。春野と桜乃にとって最後のデュエットダンスになります。
| 真飛: |
デュエット、素敵ですね。
…曲を聞いただけで、もう… |
| 春野: |
(うなずいて)まずい |
| 真飛: |
本当にまずい |
| 春野: |
歌詞も本当にそのまんま(別れ)を歌っているのね。なんだけど、それを負の感情にするんじゃなくて、プラスの方に…。別れのときが来たけど、でもずっと思い合っているよね? ぼくたちは、みたいな感じ。だから、これで最後、一緒に踊るのが最後って言うんでなくて、今ここでこうしてこの時間に2人でデュエットをしていることがとっても幸せだね、って感じで |
| 壮: |
最後2人一緒で、うれしい |
| 真飛: |
そうですね |
| 桜乃: |
(うなずく) |
| 壮: |
お芝居では離ればなれで終わっちゃうから、あそこで2人で、一緒になって終わるっていうのが、観ててすごく幸せ |
| 春野: |
私もホントにうれしかった、振付のとき。どうなるんだろうなって思ってたのね、実は |
| 桜乃: |
私も。下手の方に走っていって、あ!? このまんま引っこみかな、と思ったら、まだだよ、って。(春野に)ねぇ! |
| 春野: |
ね! で先生が、銀橋でこうやって(拍手をして) |
| 桜乃: |
初日のときもすごく、お客さまから拍手をいただいて(ニコニコと笑う) |
| 春野: |
今もすごい拍手をいただいちゃって。で、次の音楽、なかなか入らなくって |
| 桜乃: |
はい、そうなんです |
| 春野: |
いやでも、次行こうかぁ、みたいな(笑)ね? いいよ、いいよ、みたいな感じでね。たしかにこれがサヨナラ公演なんだけど…でも、舞台をずっと集中してやってたら、サヨナラとか関係なく、ホントに今、今なのよ。だから、まだまだショーはノンストップで続いているよ、っていう感覚だから、次行こう、って感じになっているんだよね。何かね、アンコールライトみたいな感じになっているんだよね |
| 桜乃: |
はい |
| 春野: |
で、一人ずつお辞儀する雰囲気みたいになってるんだけど。で音も待っていて、入らないんだけど、でもやっぱり、これは、ここだけの場面でなくて、一つのショーだっていう感じで |
| 桜乃: |
がんばって… |
| 春野: |
ドンドン行きましょう!(笑)みたいな感じ |
| 真飛: |
そうなのかぁ |
| 春野: |
だからサヨナラっていっても…みなさんそういう目でみるし、お客さまも、生徒のみんなも、すごく私のことを送りだそうとしてくれる気持ちがわかるし、でも私にとっては、今がいちばん大切な時。サヨナラしていくことが大切なんじゃなくて、今みんなと一緒にやっていることがとても大切だっていう気持ちなんだよね |
| 真飛: |
そうなんですが… |
| 春野: |
(真飛に向かって)寂しい、寂しい(笑) |
| 真飛: |
寂しさはみんな、ものすごいじゃないですか。つついたらみんな泣くじゃないですか。でも、そうじゃなくて、オサさん(春野)のその前向きな想いとかを絶対くみ取って、私たちも寂しいばかりでなくて、今本当に一緒なことが、こうやって一緒にやっていることも、ホントに縁というか、運命的なもの、巡り合わせ。だからすごく大切だな、幸せだなって、素直にそう思います |
| 春野: |
そうだね。みんなのそういうエネルギーが舞台の上に出てるといいよね |
| 真飛: |
そうですね |
| 春野: |
あんまり湿っぽくならないで、やっぱり花組らしく、さっぱりと |
| 真飛: |
さっぱり!? |
| 愛音: |
(うなずく) |
| 春野: |
晴れやかにサラッと。とっても大変なこととかとってもすごいことをサラッとやっているっていう感じが、カッコいいかな(笑) |
| 桜乃: |
(うなずいて)はい |
| 春野: |
最後までがんばって、やりましょう! |
| 一同: |
はい |
| 春野: |
よろしくお願いします |
| 一同: |
よろしくお願いします |
つとめて明るい笑顔を見せる春野、笑顔で返す出席者たち。お互いの想いが熱く飛びかい、胸に迫る、内容充実の座談会でした。ぜひ放送で体験してください。