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NOW ON STAGE 月組・東京宝塚劇場公演
『MAHOROBA−遥か彼方YAMATO−』『マジシャンの憂鬱』


月組・東京宝塚劇場公演
『MAHOROBA−遥か彼方YAMATO−』
『マジシャンの憂鬱』

東京宝塚劇場公演
2007.10.5(金)〜11.11(日)

→ 詳しい公演情報は宝塚オフィシャルページへ

番組プレビュー

出演者

出演者の写真をクリックするとその他の出演番組がご覧いただけます。


瀬奈じゅん

彩乃かなみ

出雲綾

嘉月絵理

龍真咲

夢咲ねね

解説

スピリチュアル・シンフォニー
『MAHOROBA』
−遥か彼方YAMATO−

作・演出・振付/謝珠栄

 時代を超えて伝承されてきた伝統芸能、民族舞踊にスポットを当て、洋楽のリズム感や華やかさを織り込みながら、古典の面白味、エッセンスを込めたショー作品。過去と未来、生と死、北と南といった両極を行き来しつつ、春の芽生え、夏の猛々しさ、実りの秋、冬の厳しさから再生の春へと移り変わる、アジアのみならず世界に誇る、日本の四季の変わらぬ豊かさ、美しさを表現する。気鋭の三味線奏者・上妻宏光氏がクライマックスシーンの音楽を担当。

ミュージカル
『マジシャンの憂鬱』

作・演出/正塚晴彦

 ダンディなマジシャンが、皇太子妃の事故死の真相解明を依頼されたことから、皇太子妃の侍女と共に、事件解決に当たる過程を通して、個性の違う男女が、如何に出会い、如何に反目し、やがては心を通わせていくかを描いた、宝塚歌劇らしい華やかで夢のあるミュージカル作品。
 20世紀中葉のヨーロッパのとある国。シャンドールは上流階級では有名なクロースアップマジシャンである。ある日、貴族の女性から愛犬が行方不明であることを聞いたシャンドールは、一枚のカードをその愛犬に見立て、それを探し出すというマジックを即興で演じてみせる。後日、シャンドールは愛犬が彼の予測したのとほとんど変わらない状況で、無事に発見されたという知らせを受け取る。この事が発端となり、彼のもとには風変わりな依頼が舞い込み始める。彼は、一時の慰めになればと、依頼者からの情報をもとに即興で構成したマジックを披露する。しかしそのいくつかが実際に解決してしまい、人々の間では、シャンドールの透視能力の噂がまことしやかに囁かれ始める。
 そんなある日、シャンドールは皇太子ボルディジャールの極秘の訪問を受ける。皇太子はシャンドールに、3年前に事故死した妃マレークの死の真相を突き止めて欲しいと請願する。皇太子曰く、マレークは夜毎夢枕に立ち、自分は謀殺されたと訴えるという。マレークの無念を晴らしたいと切々と語る皇太子を前に、シャンドールは透視能力など嘘であると白状するわけにもいかず、依頼を引き受けてしまう。彼にできることはただ一つ、結局マレークの死は事故死であると結論づける事。そう考えたシャンドールは、早速行動を開始する。
 調査を開始したシャンドールの身の回りには不可解な出来事が起こり始める。それは、かねてからの相談相手であるラースローやジグモンドについても同様であった。事故現場を訪れたシャンドールは、狙撃され危うく命を落としかける。彼を救ったのは、ヴェロニカという元マレークの侍女であった。最早、皇太子妃の暗殺を疑う余地はなかった。そしてヴェロニカ達もまた、マレークの死に疑問を持っていた。シャンドールはあるアイディアを思いつく・・・・・・。


古事記をモチーフに日本各地の民俗芸能をフューチャーした謝珠栄作・演出のショー『MAHOROBA−遥か彼方YAMATO−』と、正塚晴彦作・演出のミュージカル『マジシャンの憂鬱』。話題作2本立ての月組公演が、いよいよ東京宝塚劇場にやってきました。今回の座談会には瀬奈じゅんと彩乃かなみの主演コンビに、出雲綾、嘉月絵理の組長&副組長コンビ、そして龍真咲、夢咲ねねの新人公演主演コンビが出席。大劇場公演を終えた感慨、東京への抱負などを語っています。そこからかいつまんで紹介しましょう。後半は東京公演座談会恒例の質問コーナー。今公演で退団する嘉月に関する質問など、楽しい話がはずみます。

 

●鷺の場面で「鳳凰がいた!」と瀬奈…『MAHOROBA』

まずはショー『MAHOROBA』の話題から。最後の鷺の場面で、鷺に姿を変えて甦ったヤマトタケル(オウス)役で踊っている瀬奈は、鳳凰を感じたと言います。

瀬奈: わりとお芝居的な要素が強いショーで、だから流れていきやすいんですね。とくに嵐の場面。もっとドラマティックに一つ一つを大切に演じたいなと思ったんですよ、すごく。やっぱり1か月半やると慣れるじゃないですか。だから良い意味で慣れないと、怖いなぁと、すごく思ったんですよ。でも若者たちがみんな顔がキラキラしてて、お稽古場で久しぶりに…公演中は見れないじゃないですか…久しぶりに見たら、宝塚大劇場公演のためのお稽古のときより身体も動いているし。だからこそもっともっとって、たぶん謝先生が要求されるんだと思うんですけど
出雲: やっぱり今回謝先生の振付をはじめて受けた生徒が多かったから、最初はどういうふうに表現しようとか、どういうふうに身体を動かしていいかっていうことがまったくわからないところからはじまって。だけど1か月半公演したことによって、だんだんできるようになってきて、今お稽古場を見ていると、その上のレベルのことを先生がまた要求してらっしゃっている。ただ踊るとか、その振りのダンスをするだけでなくて、そこから先のことを。この間すごく下級生の子と話したんですが、稲穂の場面なんだけど、結局、どれだけ技術ができたとしてもやっぱり問題はハート、心だなぁと思ったから、ここの場面がどういう場面で、みんながどういう役で、どういう気持ちでやるかってことを、もう一回考え直そうって。そうしたらすごくわかってくれて、自分たちに何が足りないかってこともわかってくれたから、次に(稽古を)見る今日が、とっても楽しみなんです。ある意味お芝居の勉強にもなるかなぁと、思うの
瀬奈: はい
出雲: やっぱりただ踊るだけでなくて、その役で演じて踊るわけだから。…わからないんだよね、若い人たちは、どれだけ稲が大事かとか。そういうものを自分の頭のなかで想像したり、研究したりって必要だなぁと思って。その場面一つとってもそうだから、たぶん上級生の方もいろんな場面で思うことが多いんじゃないかなぁ
嘉月: 私は、大劇場は最後だったので、もっと身体を使おうとかそういう想いが、あとの方が強くなってきたんですよ。で、東京のときははじめからこういう気持ちでやんなきゃダメだなと思ったのね。あとは、観てる方から、ショーを観てこんなに感動したことがない、って言われたんですよ。だからすごくいいショーに出してもらってるんだなぁっていう幸せを感じてる…最後の鷺の場面とかすごく盛り上がっていく感じでいいですね。だからしんどいけど、がんばろう! ってすごく思った
瀬奈: 私ね、タキさん(出雲)にも言ったんですけど、鳳凰が見えた(笑)。…見えたっていうか、いちばん最後の鷺の場面で"今こそ"って飛ぶところの2回目で、私が1人で前にいて、みんなが後ろでかたまって(羽ばたくしぐさで)こういうふうにやるところあるじゃない。あそこで、前に見えたんじゃなくて(笑)、みんなの、行くぞ! 飛んでいくぞ! みたいな感覚が、一人一人の鷺が一つの大きい鳳凰のように感じられたんです
嘉月: ワー、カッコいいねぇ
瀬奈: それで終わったあと、鳳凰がいたよ、鳳凰がいたよ! って言って(笑)…鳳凰がいたよ、タキコ(出雲)って(笑)
 

●姫はめずらしいんですと彩乃。私たち庶民派と瀬奈

オトタチバナヒメを演じる彩乃、意外にも「姫」役はあまりやっていません。

瀬奈: はじめての姫ね?
彩乃: …(『鳳凰伝』で)カマラ姫もやりましたけど(笑)。姫とか高貴なのが、あんまり回ってこない(笑)
瀬奈: (笑)あんまり回ってこないんだ
出雲: そんな感じしないけどね
彩乃: (笑)あまりやってないです
瀬奈: 私たちいつだって庶民だから(笑)。庶民代表みたいな
彩乃: (笑)…私はお稽古場で、今回の公演って一場面のなかでみんなが同じ振りをしているというよりも、各セクションでいろいろな振りをしている人たちが居るじゃないですか。で、大劇場公演のときには、見てはいたんですけれどもその効果がそこまで理解できていなかったのが、改めて、1公演やってそしてお稽古場で見て、海だったらドラマティックに波を現している人とか、1か月半やったことによってそれが身に入ってきたからかもしれないですけど、その効果がすごくわかって…(瀬奈に)どうして笑っているんですか?
瀬奈: (笑)私、頭見て(彩乃のふくらませた前髪をさわって)すごいなと思って
彩乃: 違うこと考えていた!?(笑)
瀬奈: 気が散りました(笑)。ごめんなさい…
彩乃: (笑)
瀬奈: どうぞ
彩乃: …だからそれを、お稽古がはじまってから思ったのと、あとは、大劇場の初日が開いてお衣装が大きくてできなかったりしたことが、もう一度この東京公演のお稽古場に来た時点で、ここはここまでしかできてなかったけど、本来の振りってこうなんだよな、っていうことをもう一度確認できたこととかが、今回のお稽古ですごく意義があったことかなぁと思いました…
瀬奈: こんなことしてたんだ! とか、こういう動きをしてたんだ! とかいう発見がいっぱいあった。大劇のお稽古のときは自分がいっぱいいっぱいで(笑)
出雲: みんなそうよ
瀬奈: 周りが見えてなかったこととかあったんですけれども。公演中にもいっぱい発見がありませんでした? あ、ここでこの人たちこんなことをしてるんだ! とか。それがすごい楽しかった。発見が楽しかった。今のお稽古場もそうなんですけど

この後も龍と夢咲が東京への抱負を語るなど『MAHOROBA』トークは続きますが、残りはぜひ放送で。それにしても龍の発言がまことに立派でびっくり。瀬奈も「私がこのぐらいの学年のときはこんなこと言えなかった」と感心。夢咲もはきはきと明確な語り口で、最近の下級生はしっかりしているんですね。

 
 

●「おもしろい」と作者・正塚自身が言っている『マジシャンの憂鬱』

続いて話題は『マジシャンの憂鬱』に。瀬奈はクローズアップ・マジシャンのシャンドール、彩乃は皇太子妃マレークの侍女ヴェロニカを演じてます。まず作・演出家の正塚についての話題で盛り上がりました。

瀬奈: 正塚先生がね、それこそ自画自賛でね
彩乃: (笑)
瀬奈: 楽屋に帰る途中で待ち伏せしてるじゃないですか、いつも
嘉月: ニコニコしている
瀬奈: (腕を組んで口まねで)"おもしろいわ"

全員爆笑

瀬奈: "オレこれ飽きねぇ"って自画自賛(笑)。"オレが創ったけど、おもしろい!"
嘉月: アハハハ…
瀬奈: すっごく先生、楽しそうだった。でも創った先生がそう思ってくださっているのが私はすごくうれしい。やっぱり自分で納得いかないものとかだったらイヤじゃないですか。最高! この作品最高!! オレ最高、って思ってくださるとすごくうれしいんですよね、こっちはやっぱり。…"お前たちどうだ、楽しいか?"

一同笑う

瀬奈: "はーい、楽しいです"って(笑)。いつもきりやん(霧矢大夢)と3人で呼ばれて、"いいと思うよ、お前たち、いいと思うよ"って(笑)
彩乃: ダメ出しもあるんですけど。たくさんあるんですけど…
瀬奈: ダメ出しももちろんあるんだけど。終演後があんがい楽しみだった、正塚先生に会うのが
出雲: ほとんど毎日いらっしゃって。ピタッといらっしゃらなくなって、そういえばいらっしゃらなかったよね、ここの何日間か、って言った日にまた現れたりして(笑)
瀬奈: そうそう、突然髪を切って現れたりして(笑)。髪、先生、どうしたの?! って(笑)。なんとなく若者ふうになってたわけ。…笑っちゃった(笑)、笑っちゃいけないんだけど。昨日もね、リフレッシュルームで先生とちょっとだけお話ししたときに、"オレね、最近やっと自信がついてきたんだよ"って(笑)。"でもそういう自信って、持ってなきゃダメだよな"っておっしゃって。たしかにそうだな、お客さまに見せるのに自信なくやってたらダメだよねって思って。それをすごく、身にしみて感じた公演でした。…どう?
彩乃: ホントに楽しかったっていうのが、いちばんですね。それでみんなも生き生きしてていて

ハプニング、エピソード話が続きます。彩乃の帽子とカツラが飛んだ事件などの失敗談は、放送でぜひ。シャンドールの仲間ラースロを演じる嘉月がセリフを忘れて、それをやはり仲間のレオー役の龍がフォローしたら、ファンに龍の間違いととられた話など、おかしいですよ。嘉月は間違えないと思われているんですね。

 

●新人公演組、龍と夢咲の反省と抱負は?

新人公演主演の龍と夢咲が、大劇場公演を振り返り、東京への意気込みを語ります。

瀬奈: まさお(龍)、お願いだから、マジック、ネタバレしちゃわないようにしてね、って言った
出雲: 不器用だからね(笑)
瀬奈: でも、私より器用
一同: えぇ〜!?
瀬奈: スマートにやってたじゃない、すごく
龍: 冒頭に、そのマジックをして、さぁこれで私はこういう仕事をしているこういう人物ですって表さなきゃいけなくて。まぁそれを表すことは台本上に書かれていることだからセリフとしてとりあえず言ったらそれは成り立つことなんですけど、でもやっぱり小道具を使ってマジックをするというのがすごく難しくて。あさこさん(瀬奈)はけっこうすぐこれをシュッという(トランプをサッと開いて並べる)のはすぐできていたけど
瀬奈: これはね、できたんだよ
龍: で、いざやってみたら、全然開かなくて。でもそれにはコツがあったんですよ、教えていただいたんですけども。…演じるに伴うマジックとしての技術が全然できなくて
出雲: でも本番、全然キツイと思わなかったよ
龍: …最初の方はほとんど記憶がないんです、正直。記憶のある新人公演を、東京は…
嘉月: 目指して
龍: はい
嘉月: 最後だものね(微笑)
龍: (うなずいて)はい
瀬奈: 早いなぁ、もう新公卒業かぁ…まさお、3作連続で私の役をやってくれて。早変わり室とかいつも来てくれて。…気が利くの、しっかりしてるの。それが意外な発見だった(笑)。日によって私にも、いろんな波があるじゃないですか、演じていく上で。そういうのを、まさおはすごく感じ取って、助けてくれるんですよね
出雲: 勘がいいんだよね、すごく
龍: とんでもない。ありがとうございます
瀬奈: 次の東京公演、ホントの最後だからね。がんばってね
龍: はい。そのなかでも、たくさん吸収して…吸い取りますので(笑)
瀬奈: 吸い取られるんだ(笑)

夢咲は、彩乃のヴェロニカ役。本公演でもずっと彩乃ヴェロニカと一緒に行動するエヴァを演じています。

瀬奈: ねねこ(夢咲)は?
夢咲: 本公演でもずっとご一緒に行動させていただいていて、ヴェロニカさんが出ていらっしゃるところからずっと一緒にいるので、同じ感情で動いていると、勝手に考えていたんです。でもやっぱり実際新人公演のお稽古になってみると、エヴァで考えていた以上に深く考えていかないといけないんだなぁっていうことが新たに見つかって、そこを掘り下げるのがやっぱり難しくて。お稽古中も、やろう、やろう! とするあまりに、先生に少し計算になっている、やろうとしていることが見えてしまうと言われてしまうので、ホントの気持ちになって演じるっていうのがすごく難しいなと、改めて思いました
彩乃: でもホントに3コ1なんですけどね。やっぱりたぶん一緒にマレークさま(皇太子妃)と幼少期から暮らしてきたんだろうね? っていうのは、言ってたんだよね
夢咲: はい
彩乃: 小さいころから身の回りのお世話をしたり、3コ1で。でもやっぱり妹が死んだっていうことで、周りの2人が背負っているものとまたひとつ違うものがヴェロニカのなかにはあって。それを近くで見ている2人というのは、その想いはわかっているんですけど…ね?
夢咲: はい
彩乃: (瀬奈を見て)…と思うんですけど(笑)
瀬奈: (笑)いろんなことを含めて…
彩乃: はい
瀬奈: また東京公演の上級生のお稽古っていうのも、すごく勉強になるでしょ。私は自分が新人公演に出てたときもそうだったんですけど、あっ!? 本役さんがこんなに、こういうふうに変わったんだなって、稽古場の上級生の方を見て。舞台に上がっちゃうと毎日見ているからわからないけど、お稽古場に帰ってきたときの本役さんを見ると、なんかちょっと違ったりとか、新しい発見があると思うから。だけれども自分たちのオリジナリティを加えつつ、今の新人公演メンバーでしかできないいい舞台を目指して…。(龍と夢咲に)引っぱってくんだよ!
龍: はい
 

後半は恒例の質問コーナー。「『MAHOROBA』で苦労したこと」「『マジシャンの憂鬱』で自分の役以外で演じてみたい役」、そして「今回で宝塚を卒業する嘉月絵理さんのエピソード」に全員で答えていますが、そちらはぜひ放送で。晴れやかで落ち着いた表情の瀬奈と彩乃、上級生としての気配りを見せる出雲と嘉月、整理された言葉で的確に語る龍と夢咲…今の月組の充実ぶりがうかがえる座談会でした。

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