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NOW ON STAGE 花組・東京宝塚劇場公演
『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』『ラブ・シンフォニー』


花組・東京宝塚劇場公演
『アデュー・マルセイユ
−マルセイユへ愛を込めて−』
『ラブ・シンフォニー』

東京宝塚劇場公演
2007.11.16(金)〜12.24(月)

→ 詳しい公演情報は宝塚オフィシャルページへ

番組プレビュー

出演者

出演者の写真をクリックするとその他の出演番組がご覧いただけます。


春野寿美礼

桜乃彩音

真飛聖

未涼亜希

華形ひかる

真野すがた

解説

ミュージカル・ピカレスク
『アデュー・マルセイユ』
−マルセイユへ愛を込めて−

作・演出/小池修一郎

 1930年代初頭のマルセイユを舞台にした、ピカレスク・ロマン風味溢れるミュージカル。禁酒法時代のアメリカに高級ワインを密輸する計画を持つ粋でダンディな男と、マルセイユを浄化するために努力する清純な女の間に恋が生まれ、偽札事件に巻き込まれて行く。春野寿美礼のサヨナラ公演である。
 1930年代初頭。アメリカで禁酒法が実施されていた時代。美しい港町マルセイユは、マフィアが支配するフランス一の犯罪都市でもあった。
 この町で生まれ育った男ジェラール・クレマンが14年ぶりに帰って来る。街の歓楽街を仕切る「夜の帝王」シモン・ルノーが出迎える。駅前の大階段で、対立するオリオンとスコルピオの二派のギャング同士が女を巡って争い、女をかくまった観光ガイドのマリアンヌは、ジェラールに助けられるが「マルセイユを汚す夜の男たちの助けは受けない」と拒否し立ち去る。ジェラールは、少年時代親友シモンを助けるため、濡れ衣を着て少年院に送られたが、今はアメリカン・マフィアとの繋がりを持ち、高級ワインの密輸ルート開拓の為シモンに力を貸して欲しいと言って帰郷したのだ。
 実はジェラールは、少年院での模範生ぶりを国際刑事警察の創設者に見込まれ、今では捜査員となっていた。フランスとアメリカを結ぶマフィアの密輸ルートを探るため、派遣されて来たのだ。ジェラールは、シモンの経営するカジノで人脈を拡げる。
 ジェラールは、彼とシモンの母親たちが一緒に働いていたマルセイユ名物のサボン(石鹸)工場を再訪する。今では廃業した工場は、婦人参政権運動「アルテミス婦人同盟」の活動拠点となっており、メンバーは、昼は観光ガイドとして働いていた。アルテミスのリーダーはマリアンヌであり、理解ある市議会議員モーリス・ド・ブロカの指導のもと、ソルボンヌ大学受験を目指していた。廃工場でジェラールとマリアンヌは再会する。ジェラールは、アメリカではマルセイユ石鹸は高級品であることから、婦人同盟の活動資金獲得の為に、サボンを造ることを提案し、モーリスも協力を申し出るが……。

グランド・レビュー
『ラブ・シンフォニー』

作・演出/中村一徳

 喜び、出会い、情熱……様々な愛の形、愛の心情を歌とダンスで綴るレビュー。華やかなパリ・レビューのオープニングから、ラテン音楽にのせての情熱的なダンスシーン、明るいジャズの世界など、あらゆるジャンルの音楽の世界を駆け巡り、愛の喜び、美しさを繰り広げます。


春野寿美礼の退団がいよいよ間近に迫ってきました。退団公演が東京宝塚劇場ではじまったのです。作品は小池修一郎作・演出のミュージカル『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』と中村一徳作・演出のレビュー『ラブ・シンフォニー』。東京公演への稽古終盤に収録された今回の座談会には、春野と相手役の桜乃彩音、次期主演に決まっている真飛聖、そして未涼亜希、華形ひかる、真野すがたが出席。宝塚大劇場公演を終えた手応えと感慨、東京への抱負、さらに春野への想いなどを語っています。透明で穏やかな表情を見せる春野、それをなごやかに見守る桜乃、真飛、未涼、華形、真野。別れは寂しいけどそれまでの時間を充実して過ごしたい、そんな想いが伝わってくる座談会でした。そこからかいつまんで紹介しましょう。

 

●『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』
…マフィアたちが格好いい冒頭の大階段シーン

『アデュー・マルセイユ−マルセイユへ愛を込めて−』で春野が演じるのは、訳あってマルセイユを離れ14年ぶりに戻ってきたジェラール・クレマン。マフィアと組んでワインの密輸を企てますが、彼には国際刑事機構の刑事という秘密の顔が…。そんなジェラールに心惹かれ合うのが桜乃演じるマリアンヌ。婦人参政権運動のリーダーです。真飛のシモンはジェラールの幼なじみで、マルセイユを二分するマフィア、オリオン一派のボス。夜の世界を牛耳っています。未涼はイタリア人マフィアのジオラモ役、華形と真野はシモンの子分役。話題はまずマルセイユ駅に見立て大階段を使った冒頭の場面から。

春野: 大劇場、楽しかった(笑)。

一同笑う

春野: いろんなことがあったと思うんだけど、なんか楽しかった! っていうのしか思い浮かばないんだけど(笑)。…どうだった?
真飛: 楽しかった(笑)。でも舞台上がってからの方が、人間模様とかいろいろ見えてきて、日々おもしろかったです。
春野: マフィアの人たちの、オープニングの…オープニングは(桜乃を見て)ここか!(笑)。
真飛: (笑)オープニングはここですね。
春野: ここが幕開きね(笑)。
桜乃: はい。
春野: …あやね(桜乃)の衣装着させてもらったけど、私。
真飛: 似合ってましたねぇ。
春野: 無理してない?(笑)
真飛: あのショットはすごい。
春野: あやねより可愛かったよね(笑)。
桜乃: はい(笑)。負けました。
春野: オープニングの階段でマフィアの人たちが対立して、夜の街のシーンになって。格好よかった、大階段の上でスーツにソフトで決めてっていうのが。快感じゃなかった?
真飛: 一瞬にして私は降りちゃうので。(真野に)どうだった?
真野: スタンバイしてるときは毎日、そこから自分が落ちることを想像してしまって。

一同笑う

真野: ダダッとカッコよく落ちるところを想像してしまうんですけど、踊り出すとすごく気分がいい。
華形: スモークがパーッと、シモン、ゆうさん(真飛)が降りてらっしゃるときに焚かれてて、闇の中からボスが登場みたいで。
春野: (真飛に)出番前もすごくボスになりきってるよね。子分たちが一列になって、シモンが階段登っていくのを待ちかまえてて、「おはようございます」って。
真野: ほんとう!?
華形: えぇ!? やりたい! そこ。
真飛: そこを「はい、おはよう」って(笑)。
春野: お誕生日だったこと、あったじゃない? ゆうが。そのときは「ボス、お誕生日おめでとうございます」って。
真飛: うん。うれしかった。
華形: …私たちを差しおいて。
真野: 知らなかったです、そんなことが行われていたとは。
春野: で、ゆうもまんざらじゃない様子で「あ、どうも」って(笑)、バーッと階段登っていって。
真飛: オリオンっていってもホントにこの何人しか、子分でいつも一緒にいなくて、あそこだけが唯一の絡みなんですよ。
 

●異空間の空気をまとって出たい…春野

春野はその大階段に、雑踏のなか、異邦者として登場します。

未涼: そのあと、オサさん(春野)が階段から降りてくるじゃないですか? たぶん私、唯一だと思うんですよ、最初から、プロローグ全部見られるのは。
春野: あっ! そうだよね。
未涼: 花道で見てると、いろんな人たちが交差して入っていったり、大階段にもまばらに残っていたりするじゃないですか。で、そこをマルセイユの駅に着いたオサさんが、こう降りてくるときの、その絵が、すごくいいんですよね。
真野: 私もたまに走って見にいくと、すごく…。
春野: なんだ、みんなうっとりしているわけだ(笑)。…マフィアのカッコいい男の人たちが対立みたいな感じで活気づいてる空気のなかを、ちょっと異空間というか、自分はいまはマルセイユに住んでなくてほかの土地から訪れた、異邦者みたいな感じで、そことはまた違う空気を出せたらいいかなと思って。
華形: ちょうど汽車の止まる音とかあったりで、センターからじゃなくて、斜めに降りてらっしゃる。そういうのがすごくリアルで、いつの間にかいたみたいな、そういう別空間という感じがすごくおもしろいなって思いました。
春野: 斜めから降りてくるときね、下級生の陰にピトッと隠れてるの。で、(銃声が)バンバンバンっていったら、スーッと出てくるの。
一同: へぇ〜。そうなんだ
春野: そうそう(笑)。
 
 

●ジェラールとマリアンヌ…「忘れ物」のラブシーン

どんどん色濃くなっていった未涼・ジオラモ、踊り子に囲まれたシモン・真飛などおもしろい会話が続きますが、この辺りはぜひ放送で。「忘れ物」…ジェラールとマリアンヌの別れ際のラブシーンが素敵でした。

真飛: 私たちといるときはけっこう楽しい場面ですけど、あとはいろいろ思いながらやらなきゃいけない場面が多いじゃないですか?
春野: うーん。でも自然とみんなと交わっていって、そのときに沸き上がってきた感情を表現しながら、最後に至るまでを積み重ねていった感じだったから…楽しかった(笑)。マリアンヌとも知り合えて。知り合えてというか元もと面識はあったんだけど、ちょっと忘れちゃってて(笑)、お互いにね。
桜乃: はい。
春野: でも"アルテミスとオリオンの神話"を歌う場面とか、すごく気持ちよかった。
桜乃: (うなずく)
真飛: 夕日というか、ちょっと夕暮れどきで。
春野: だんだん変わっていくんだよね、照明が。
未涼: (出番が)次じゃないですか。だからソデでたまに見て、すごくきれいですね。
春野: 懐かしの、自分にとってはすごく懐かしの神殿でああいうことをしているっていうのはすごく…「忘れ物」!(笑)。忘れ物しちゃった。
真飛: 観にきてくださった上級生の方たちとかほかの組の方たちもみなさん、絶対に言いますよね、楽屋に来て。
春野: 「忘れ物!! 忘れ物!!」って(笑)。
真飛: 第一声けっこうそれでしたね。
春野: (笑)…「忘れ物」のときは、どんな感じだったの。
真飛: どんななの? 聞いてみたい。
桜乃: (…)
春野: やっぱりいちばんおいしいところじゃない、あやねが。
桜乃: …やっぱりドキッとします。
真飛: 目がキョロっていうのは?
華形: 真剣ですよね。
春野: あれホントに、ハンカチ? とかって探してるね。
桜乃: まだ、あったかしら? って、振り返ったら、ジェラールが寄ってきて…(笑)。でもそんなに急に起こったことではないので、前の雰囲気からなので…。
春野: (桜乃の真似で)「え!? 忘れ物」とか言っときながら、「私!」みたいな感じ(笑)。
華形: いいなぁ。
桜乃: お手紙とかにも「忘れ物されていいですね」って(微笑)。
 

●ハードだけど楽しかったショー『ラブ・シンフォニー』

『ラブ・シンフォニー』についても「楽しかったな」…そんな春野の言葉ではじまりました。群舞の多いショーで、春野も桜乃も、そして花組全員が踊りまくっています。

春野: ショーもけっこう楽しかったな。…楽しかったで終わっちゃう(笑)。すごく発散した。場面ごとに違う色を発散して、終わったあとは「はぁ〜」みたいな感じで。プロローグのスタンバイから楽しかったものね。
桜乃: 楽しそうでしたね。
春野: (未涼に)盛り上がってたよね、そっちも。えりたん(壮一帆)とか。
未涼: はい。化粧替えが終わって、走りこんで来たところから、もうショーが始まるみたいな(笑)。幕のなかからもうショーははじまってるんですよ。
春野: でもあのプロローグはやっぱりハードだね。
真飛: ハードですね。
未涼: そうですね。でもどの場面も…。
春野: ハード。
未涼: そうなんですよね。1回走り出したら最後まで…。
真飛: 気がついたらもう終わりみたいな。
未涼: はい。
華形: 最初、(春野に)ご存じですか、カゲコーラスやってるの。
真飛: ソデでカゲコーラスしてるの、マイクつけて。
真野: こんなワッカになっているのを。
真飛: だから全員が参加してるんですよね、プロローグに。いない子たちもソデで歌っている。
 
春野: まっつ(未涼)、すごく余裕だよね、出番まで。ホントになっかなか化粧しないから(笑)、心配になっちゃうんだよ。
未涼: (笑)千秋楽間近になっても「大丈夫なの?」って。ほかの組の方が観にいらしたりすると、知らないじゃないですか、「間に合うの? 大丈夫なの?」ってよく言われて(笑)、「全然大丈夫なんです」。何回この言葉を言ったか(笑)。
春野: ジオラモ、日に日に濃くなって行ったよね。
未涼: もっともモノマネされるキャラクターで(笑)。
春野: あ、モノマネされてるよね。
未涼: ほんとうに(笑)。
ありがたいなと思うんですが、ネタにされて(笑)。
春野: あらゆるところが巻き舌になってきた(笑)。そこもかいなって(笑)。
未涼: ホント申し訳ないなと思いながら毎日(笑)。
春野: いいよ。
真野: オサさんに覆い被さるように、こうやって(笑)。
未涼: 春野大先生に。
春野: 大先生(笑)。
未涼: 肩抱くのが好きなんですよね、ジオラモが。
華形: コミュニケーション、激しいですよね。
未涼: オサさんの肩も抱き、壮さんの肩も抱き(笑)。

「最後にしてこんなに踊るの!?(笑)みたいだけど、でもどんどんやっぱり千秋楽に近づくにつれて、自分の気持ちも深く、強くなってきたから、ほんとうに気持ちよく踊らせてもらった」と語る春野。フィナーレの桜乃とのデュエットダンスは「最後に一瞬、あやねが本舞台から離れて、これで終わっちゃうのかなと思わせておきながら、最後2人で抱き合って終わるから、お客さまもよかった!! って拍手してくれて。その拍手で自分たちも幸せ気分になれる」と幸せそうです。

 

●17年間を振り返って、花組への想いと期待

後半は質問のコーナー。春野に関する質問、「春野寿美礼さんが演じてきた役で私のお気に入りの役はこれ」「春野さんの歌でいちばん好きだった曲は?」「私だけが知っている春野さんのとっておきエピソード」をみんなで考えます。楽しく、ちょっぴりしんみりしたおしゃべりはぜひ放送で。そして春野が最後にいまの心境と花組、次期主演の真飛への期待を、率直に語っています。紹介しましょう。

「いちばん好きだった役とか曲とか、ほんとによく聞かれるんだけど、覚えてないのね。ホントにそのときそのとき一生懸命だから、昨日のことも語れないの(笑)。それぐらいいまってことに集中してる。だから自分では語れないんだけど、周りのみんながこんなふうに私のことを語って、私がたどってきた道を見せてくれたり、こういうことがあったんですよ、と教えてもらうと、17年間やってきたんだなっていう、誇りと自信を感じられることができて、いまのこの段階でそういうことを思えたのがすごくうれしい。そういうふうにちゃんと見ていてくれるみんながいるってのもすごくうれしいし、愛されてるなっていうのをすごく感じる…」
「自分が主演になったときに、この組をこういうふうにしたいっていう思いはあったんだけど、理想ばっかりでなかなかそういう雰囲気には実際なっていなくて。理想と現実にすごくギャップがあって、そのギャップに苦しんだりもしたんだけど、いま花組のなかにみんなと一緒にいると、主演になったときに望んだ空気になっているような気がするのね。そうなるのにこれだけの年数がかかってしまったけど。でもいま自分が思う雰囲気の組になって、そのまん中に自分がいられることを、ほんとうに幸せに思う。で、私が退団して、次はゆうが花組のまん中に立っていくときに、やっぱりまん中の人の空気で組って変わっていくと思うから、私と一緒に過ごしたときと同じように、みんなもちゃんとゆうを見ていてほしいし、ゆうもちゃんとそれをわかっていてほしい。たぶんそういう繋がりがあるからこそ何かが生まれると思うから。そういうふうに繋がってさえいれば、組の雰囲気だとか、技術的に向上していくことだとかに、結果的に繋がっていく、いい舞台にと繋がって、お客さまを楽しませてあげることになると思う。それをちょっと心がけて、がんばってほしいなと思います」

 

ほんとうに素直な気持ちで「17年間の誇りと自信」を語ることができる…ナイーブな表情を見せる春野は、幸せな主演スターです。その彼女をあたたかく包む桜乃、真飛、未涼、華形、真野。ほっこりした気持になれた座談会でした。

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