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NOW ON STAGE 雪組・宝塚大劇場公演『君を愛してる−Je t'aime』『ミロワール』



ラブ・ロマンス
『君を愛してる−Je t'aime』
作・演出/木村信司
オシャレに、華やかに、今こそラブ・ロマンスを。上流階級の青年と、サーカスの花形スターとの心温まるラブ・ストーリーを、パリを舞台に爽やかなタッチで描きます。木村信司による初のオリジナル・ミュージカル。
大富豪が亡くなった。長男ジョルジュに遺言が告げられる。半年以内に結婚すること。結婚相手は上流階級に限る。条件を満たさなければ、財産は継がせない。遺言を聞き、親友フィラントは「結婚と恋は別」と惚ける。一方、親友アルセストはショックを受ける。ジョルジュの結婚相手と目されたセリメーヌに魅かれていたのだ。結婚か。財産を捨てるのか。思い悩むジョルジュは、あるときサーカスの花形スター・マルキーズと出会う。
ジョルジュにとって旧知の牧師、レオンは教える。マルキーズはスターであるばかりではない。教会に寄付をかかさず、恵まれない人々にも尽くす。ジョルジュは自らの生き方をふりかえる。これまで誰かのために尽くしたことがあったか。初めはジョルジュをいけ好かない金持ちと思っていたマルキーズも、ジョルジュの温かい人柄に触れるうち秘かに思いを寄せてゆく。
マルキーズのサーカスは、地主に立ち退きを求められている。プロデューサー・アルガンが来る。彼はかつてマルキーズの恋人であり、今は別の大きなサーカスを運営している。アルガンはマルキーズに問う。いつまで古びたサーカスにこだわるのか。マルキーズは答える。自分の夢は、少ないお金で、より多くの人に感動を与えること。立ち退きの期限が迫る。ジョルジュはマルキーズを助けたい。しかし遺産を継いでいない彼に、できることは少ない。最後に彼のとった行動とは……。
恋。友情。サーカスの団員、芸術に生きるボヘミアンたち、オシャレでかわいいパリの踊り子たちなど、さまざまな人々が物語に絡む。花の都、そして恋の都パリで、一足早い春の風のようにラブ・ロマンスが展開する。
ショー・ファンタジー
『ミロワール』
−鏡のエンドレス・ドリームズ−
作・演出/中村暁
『ミロワール』はフランス語で鏡の意味で、「鏡」と「鏡の中のもう一つの世界」をテーマに構成したショー。人は古来より鏡に特別な力を感じます。神秘的なものの象徴でもあり、その時代を映し、異次元へと誘う鏡。スタイリッシュなダンスとダイナミックな群舞、出演者の一体感が更に客席との一体感を生み出し、鏡が織り成す複数に増殖していくイメージが、ゴージャスな世界を描き出します。
宝塚大劇場では、水夏希、白羽ゆりを中心とした雪組が、『君を愛してる−Je t'aime』『ミロワール』を上演中です。『君を愛してる−Je t'aime』は、パリを舞台に、上流階級の青年ジョルジュ(水)と、サーカスの花形スターであるマルキーズ(白羽)の、ハートウォーミングでおしゃれなラブ・ストーリー。木村信司初のオリジナル・ミュージカルです。『ミロワール』は「鏡と鏡の不思議な世界」をテーマにしたショー。中村暁がファンタジックな鏡の世界を華やかに描きました。今回の座談会には水、白羽、彩吹真央、音月桂、さらに彩那音、凰稀かなめ、緒月遠麻が出席。初日が開いてしばらくたった手応えなどを語っています。演出の木村、中村のインタビューも興味深いのですが、そちらは放送でお楽しみください。
●『君を愛してる−Je t'aime』…
「奥さんがいる役ははじめて」緒月、「毎日が楽しい」彩那
それにしても出席者の服装が、赤、グリーン、イエローとカラフルで、水いわく「ガチャガチャ感(笑)」。水も真っ赤にブルーと、いつもシックな彼女とは思えない色づかい。これは作品の雰囲気に合わせ「カラフルでおしゃれな」服装を水が提案した結果。「私、これで精いっぱい。これしか持ってなかったの。どれ見ても黒、焦げ茶、白、ベージュ」と水は笑います。白羽は白黒のチュニックですが「私もなかったんですね(笑)。これがピエロっぽいかなと」。白ジャケットに黒シャツの緒月は、水・ジョルジュの弟で芸術家のクレアントという「役のイメージに合わせて」。そんな楽しいおしゃべりのあと、それぞれの役について語ります。
| 水: |
初参加の緒月さんから。どうですか? 奥さんのいる役は。 |
| 緒月: |
はい。(少し緊張気味にカメラに向かって)はじめて奥さんのいる役をさせていただきまして。今回は芸術家でちょっとほっこりした感じの場面を担当させていただいておりますので、観てるお客さまが温かい気持ちになっていただけたらいいなと思っております。ちかさん(水)との兄弟に深みを…。 |
| 彩吹: |
役名が発表されたときに、ちかさんと同じ名字だったから「お父さんですか」って質問をして(笑)。 |
| 緒月: |
そのあとにもう一コあって(笑)、衣装を見て、お兄ちゃんの遺産を乗っ取るのかなと(笑)。 |
| 彩吹: |
(笑)深いなぁ。 |
| 緒月: |
衣装が衣装だったから、乗っ取るんじゃないかと(笑)。 |
| 水: |
でも芸術家の人たち、個性的だよね。芸術家ってこんなのかもみたいに感じますね。 |
| 緒月: |
個性を出してがんばりたいと思います。…ありがとうございました。 |
彩那はサーカス団員のシャルル役です。そして彩吹は敵役ですが…。
| 水: |
サーカス団のリーダー。 |
| 彩那: |
はい(笑)。毎日楽しいです。最後にマルキーズのところに寄っていくところとか、けっこうこっちが(胸に)ウッて来ちゃうんですけど、こっちが泣いちゃいけないと思って。 |
| 彩吹: |
みんながね、後ろ向いて上向いて、キラキラした瞳がちょっと…アルガン的には泣いてはいけないけど(笑)、ちょっと心動く。 |
| 水: |
お稽古場で、名前とかどんな曲芸してるとか話し合いをしていたね。それで参加してるの、この人(彩吹)も。なんで? とか思ったけど。 |
| 彩那: |
昔は一緒にやってたんです。 |
| 水: |
元団員なの? |
| 彩吹: |
団員というか経営の方に携わっていて、自分がやってたわけではないですけど。だから最近入った人たちは知らないけど、たとえば10年以上サーカスにいる人たちは私を知っていて、私の変わりようにちょっと残念と思ったりするのね。 |
| 彩那: |
はい。 |
| 彩吹: |
すごく楽しかったですよね、あの会議。 |
| 水: |
うん。にわちゃん(奏乃はると)とかね…にわちゃんはドリアンという名なの。ド・リアンで(笑)、貴族なの〜。 |
| 彩那 |
:田舎から出てきて、すごく入りたいわけではないけど…。 |
| 彩那: |
貴族だから、自分探しで。 |
| 白羽: |
(笑)。 |
| 音月: |
すごい! |
| 水: |
だからまだ出させてもらえなくて、掃除当番なの(笑)。 |
●「大人の男は久しぶり」彩吹
彩吹のアルガンはマルキーズ・白羽の元恋人で別の大きなサーカス団のプロデューサー。サーカス団の団員たちを引き抜こうとしてます。
| 水: |
アルガン的にはどうですか。笑顔が一つもできない、みたいな。 |
| 彩吹: |
不敵な笑みはところどころに出てるかと思うんですけども、心から笑え…ません、ね(笑)。最後もまぁいちおう笑顔ですけど、心では泣いてます。だけどそういうことを許せる大人の男性を演じるのは久しぶりなので、日に日に楽しさが増してきて。楽しみをいっぱい見つけてこられたので、少しずつ余裕が出てきたかなと思いますが。 |
| 彩那: |
実はアルガンの隠れファンがいっぱいいるんです(笑)。ウチの同期のしな(山科愛)は大好きです。しな的には、アルガンの「言葉が足りないのは許してくれ」っていうあのセリフがすごく好きで(笑)。 |
| 水: |
アルガンはいい人だよね。私、すごく理解できるもの、そういう建設的なところが。 |
| 彩吹: |
そうなんですよね。 |
| 水: |
現実をみつめないと生きていけないから。 |
| 彩吹: |
たしかに正しいことしか言ってないですよ。まぁたまに土足でテーブルに載ったりしますけど(笑)。でもちゃんと、ホントのことしか言ってないので。 |
| 水: |
わかる、わかる。 |
| 彩吹: |
別に貴族でもなければすごく金持ちのところから上がったわけでないので、すごく現実的なんですよ。 |
| 水: |
そうだよね。私、あそこ、けっこう…「優れた者を評価したいだけだ」。 |
| 彩吹: |
そうなんです。厳しい世界なんですけど、そうやって生きてかなきゃダメなんだってことを言いにいくんですけど、みんなにはプンとかされちゃうんですね。 |
●「ハッピーエンドで幸せ」白羽
マルキーズ・白羽は空中ブランコの名人でサーカス団のスター。ジョルジュとしだいに心を通わせるようになりますが…。
| 水: |
どうですか? マルキーズ。 |
| 白羽: |
等身大の役なので、やりやすいかなっていう部分と、難しいかなって…。でも台本で「洗面器で殴るんだ!?」って(笑)。そういうのが今回いっぱいあるので、そういうのが見た目的なおもしろさを狙ってやるだけじゃない方向で、ちゃんと信念というか思いがあるところに、思わずやってしまった、という方向に持ってかないと(笑)。 |
| 水: |
そうだね、方向がわからなくなっちゃうね。 |
| 白羽: |
やっぱり信念を持っている女の子だからこその、ちょっとしたおもしろさっていう部分を、間違えるとワーってなっちゃうので、そうならないようにしたいなって思いますけど。でもハッピーエンドはすごく幸せ(笑)。 |
| 彩吹: |
お稽古場からずっと、となみ(白羽)は言ってましたよ。 |
| 白羽: |
幸せ(笑)。…水さんにずっと笑顔で見ていただけるのが、ホントに幸せ(笑)。よかった〜。 |
●音月と凰稀は友人同士…稽古場で悩んでいました
音月フィラントはジョルジュの親友。悩むジョルジュに気楽に生きようと説く、お気楽人間です。
| 水: |
お気楽な方です! |
| 音月: |
ホントにお気楽で、ありがたいです、私は(笑)。そうですね、等身大というか、私も自分に少し近いようなキャラクターなので、ホントにこういう友達がいたらいいなと思いながら演じていて。木村先生にも、いつも周りに人がいるような人であってほしいっていうふうにおっしゃっていただいたので、そういうふうにしなきゃと思いながら、今回はセクシーな踊り子さんたちに囲まれて(笑)、すごくうれしくて。ニヤニヤしちゃうなって思いながら、うまいこと侍らせることができるように(笑)。 |
| 水: |
でも等身大だからこそ、難しいってのがあるよね。 |
| 音月: |
難しい〜。 |
| 水: |
そのままでいいじゃない、みたいのが、そこがすごくね。 |
| 白羽: |
お稽古中はけっこう悩んでたね。 |
| 音月: |
ずっと悩んでいて。先生これでいいんですか、って何回も聞きに行って。最後はやっぱりフィラントってすごくお気楽ですけど、やっぱりどこか熱いものとか、周りをちゃんと見てたりとか、しっかりしている部分もあるんだろうなって思うので、そういうところを自分でももっと深めていけたらいいのかなと思います。 |
| 水: |
いちばん周りがよく見えている人かもしれないね。 |
凰稀のアルセストはやはりジョルジュの親友で、ジョルジュとの縁談があるセリメーヌ(大月さゆ)との密かな恋に苦しんでいます。音月と2人、役づくりには悩みましたが…。
| 凰稀: |
そうですね。私もKIMUさん(音月)と一緒で、地でやっていいよ、っていう感じでいたんで。ずっとお稽古場で悩んでいて、お互いに。じゃぁちょっと今日は逆でやってみようかとかって…。 |
| 音月: |
私がアルセストやってみて。 |
| 白羽: |
セリメーヌもやってなかった? |
| 音月: |
セリメーヌもやってた。それは個人的にやってみたかった(笑)。 |
| 凰稀: |
(笑)役を回してやって。 |
| 音月: |
ビデオ撮って。 |
| 凰稀: |
で結局、全部やっても一緒になっちゃうね、ってことになって。どうしようっていうふうに悩んで。でも、いいんだよ、っていうふうになって(笑)。 |
| 音月: |
いろいろ試行錯誤したあとに木村先生に聞いたら「当て書きだから」って(笑)。 |
| 凰稀: |
「考えすぎないように」って(笑)。 |
| 水: |
それはすごく、私も言われた、「考えすぎないように」って。…先生はよく「可愛く、可愛く」言うよね。"幸せとおしゃれ"が先生のテーマだっておっしゃってるけど、それにたぶん"可愛い"が入っていると思う。"幸せとおしゃれと、可愛い"(笑)。 |
最後に水が意気込みを語ります。
| 水: |
初日開いて今日でまだ3日目なので、これからどんどん、キャッチボールをやりつつ、お客さまとのキャッチボールをしつつ…。 |
| 白羽: |
お稽古場と、舞台に上がってからの空気感が、またちょっと違いますね。 |
| 水: |
ほんとうに違う。舞台上での感覚を大切に、どんどん深めていきたいですね。 |
| 一同: |
はい。 |
●鏡づくしの華やかなショー『ミロワール』
ショーは、鏡のキラキラがまぶしい「プロローグ」(鏡の宮殿)から、鏡対象で彩吹と音月が踊る「ハートダンスの鏡」、水が現代アレンジでギリシャ神話の怪物メドゥーサに扮する「メドゥーサの鏡」、白雪姫とシンデレラのバトル「白雪姫の鏡」、中詰めの「万華鏡」、水たちのユニットAQUA5にちなんだ「AQUA(アクア)の鏡」という鏡づくし。話題はまず彩那の白雪姫、凰稀のシンデレラですが、2人も慣れないドレスに苦心しているようです。
| 水: |
ショー『ミロワール』の話に移りたいと思います。鏡のエンドレス・ドリームズ…。 |
| 彩吹: |
プロローグではお客さまに「目くらましみたい」と言われました。 |
| 白羽: |
そうですよね。 |
| 彩吹: |
キンキラキンですよね、お正月らしく。 |
| 水: |
全体に宝塚らしい場面があって。 |
| 彩那: |
…今日転びそうになったんです。 |
| 凰稀: |
私も。 |
| 水: |
右も左も転びそうになった(笑)。 |
| 凰稀: |
ガガってなって。 |
| 彩那: |
私もレースを踏んでしまって。銀橋に行ってから、ちゃんと持ってたんですけど、持ちが甘かったみたいで。で、ヒールのかかとにレースが入ってしまって、どうしよう、抜けない(笑)。歌っているときに、ガーッとはずしました(笑)。 |
それぞれお気に入りの場面について話がはずみますが、白羽と水のお気に入りは…。
| 白羽: |
私、全部好きなんですけど、とくに好きなのはAQUAの場面。みんなが同じ思いで踊っているところが、発散というか、すごく好きなんです。私、水さんの大好きなところがあるんですけれども(笑)。中詰めのデュエットで、盆周りでちょうどスポットが当たっている瞬間の水さんが、すっごい素敵で。 |
| 音月: |
マニアック! |
| 白羽: |
私、いちばん近いところで見ていると思うんですけど。勝手に喜んでます(笑)。 |
| 彩吹: |
"ナイト・アンド・デイ"のとき? |
| 白羽: |
そうです。 |
| 彩吹: |
よし、今度見てみよう! |
| 白羽: |
…(フィナーレの)デュエットも、燕尾と白ドレスで、すごくオーソドックスな宝塚らしくて。 |
| 白羽: |
あ、宝塚だ! って。階段降りのああいう踊りとかも、自分自身がファンだったころのほんとうにオーソドックスなデュエットっていうイメージがあったので、あぁ幸せだなぁ、って思いますね。 |
| 水: |
そうだね。必死だけど(笑)。 |
| 白羽: |
セリ下がりもちょっとドキドキします(笑)。 |
| 彩吹: |
おすすめはどこですか。 |
| 水: |
やっぱり黒燕尾かな。最近雪組になくて、黒燕尾の階段って、もう1年以上やってない。なのですごく新鮮だし、けっこう気合い入れてやったものね。で、振付は御織(ゆみ乃)先生ですけど、御織先生らしい空気感の黒燕尾でちょっと新しいですし。「TIME TO LOVE」ということでAQUA5と舞台がコラボみたいなのも楽しいなと思いながら。 |
| 白羽: |
一番最初、はじめて見たときに、あぁ、あぁ〜!! って(笑)、なるほどと思って、ちょっと感動しちゃいました。 |
| 水: |
だから必死になれるというか、がんばりたいですね(笑)。 |
まだまだ話はたっぷり。クールで熱い水、明るく晴れやかな白羽、さりげなくおもしろい彩吹、そして楽しい話を披露してくれた音月、彩那、凰稀、緒月…雪組のよきコンビネーションが感じられる楽しい座談会でした。残りはぜひ放送でお楽しみください。