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NOW ON STAGE 宙組・宝塚大劇場公演
『黎明の風』−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦− 『Passion 愛の旅』


宙組・宝塚大劇場公演
『黎明の風』
−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−
『Passion 愛の旅』

宝塚大劇場公演
2008.2.8(金)〜3.17(月)

→ 詳しい公演情報は宝塚オフィシャルページへ

番組プレビュー

出演者

出演者の写真をクリックするとその他の出演番組がご覧いただけます。


轟悠

大和悠河

蘭寿とむ

悠未ひろ

北翔海莉
 

解説

ミュージカル・プレイ
『黎明の風』
−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−

作・演出/石田昌也

 吉田茂の懐刀として自らの信念を貫き、戦後日本の復興・独立に「舞台裏」から尽力した白洲次郎の姿を描いた作品。「日本は戦争に負けただけで、アメリカの奴隷となった訳ではない!」とマッカーサーを恫喝し、GHQから「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめ、「葬式無用・戒名不用」とたった二行の遺書を残し、昭和を駆け抜けた白洲次郎の生き様を、夫婦愛、敵対する者との友情、そして平和へのメッセージを込めて、壮大にミュージカル化。

 世界恐慌、軍部の台頭、暗雲渦巻く昭和3年。9年間のイギリス・ケンブリッジ大学の留学を終えた白洲次郎が帰国する。一方、アメリカのハートリッジハイスクールを卒業した樺山伯爵の令嬢・正子も留学を終え帰国。次郎は神戸の中学時代から自動車を乗り回し、喧嘩の絶えない暴れん坊。留学というよりも父親の命令でイギリスに「島流し」にされた「育ちの良い野生児」である。一方正子は華族の令嬢として「お能」を習う反面、スポーツや射撃にも興じ、気に入らなければ男も殴りつける「韋駄天お正」と異名を持つお転婆娘であった。
 そんな二人が帰国後、正子の兄の仲介でお見合いする事になった。互いに先進国で青春時代を謳歌し、「野暮ったい日本の女(男)と結婚するなんて考えられない!」と見合いを拒否した二人ではあったが、出会った瞬間一目惚れして結婚。商社マンとなった次郎は妻・正子を伴ってヨーロッパへ出張、イギリス大使館で後の首相となる外交官の吉田茂と知り合う。ラジオからは不気味なヒトラーの演説が流れ、新聞は日本の二・二六事件を報じていた。帰国した次郎は「戦争突入で日本は食糧難になる!」と農業を始める。そして敗戦・・・・・・日本を統治すべく連合国総司令官のダグラス・マッカーサーが厚木に降り立った。そんな時、吉田茂から次郎に「終戦連絡事務局員として、日本の復興に手を貸して欲しい」と連絡が入る。
 マッカーサー率いるGHQを相手に、次郎の「新しい日本を創る戦い」が始まった・・・・・・。

グランド・レビュー
『Passion 愛の旅』

作・演出/酒井澄夫

 人生、夢、愛は果てしなき旅でもあります。それをテーマに華やかなレビューを……。若き日の夢は新しい扉を開き、大空に希望を求めて旅立っていきます。野望と欲望、愛と栄光、それらを様々な世界に、いろんな国に、ドラマティックに、ノスタルジックに、少し心に残るハッピーなレビューに構成した作品。


宝塚大劇場では宙組が、『黎明の風』−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−『Passion 愛の旅』を上演中です。『黎明の風』は、吉田茂を助け、戦後日本の復興、独立に「舞台裏」から尽力した白洲次郎の姿を、夫婦愛、友情、そして日本を占領統治していた連合国軍との関係を軸に描いたミュージカルで、作・演出は石田昌也です。白洲次郎には専科から特別出演の轟悠、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーを大和が演じています。『Passion 愛の旅』は酒井澄夫の作・演出の、「人生、夢、愛は果てしなき旅でもある」をテーマにしたドラマティックでノスタルジックなレビュー。残念ながら主演娘役の陽月華が稽古中の負傷のため宝塚大劇場公演を休演していますが、宙組一丸となって公演しています。演出の石田、酒井のインタビューも興味深いのですが、そちらは放送でお楽しみください。

 

●『黎明の風』…初日が開いての強い手応え

今回の座談会は、轟、大和、蘭寿とむ、悠未ひろ、北翔海莉が出席。『黎明の風』で、轟は白洲、大和はマッカーサーを演じ、蘭寿は親英米派の陸軍将校で、戦後は白洲が局長を務める終戦連絡中央事務局(CLO)の局員の辰美英次を演じます。悠未は連合国軍のアメリカ人将校グルーパー中佐、北翔はブレストン大佐です。

轟: とうとうはじまってしまいまして。みなさんからもとても好評をいただいておりまして。どうでしょうか、お稽古中と違ってお客さまが入っての舞台っていうのは。
大和: 初日にいろんなところですすり泣きが聞こえて、びっくりしました。稽古場だと、いいなこの場面と思っていても、客観的にあんまり見られなかったりするんですけど、初日に、あぁやっぱり日本人なんだなぁと、そういうふうに感じました。
轟: 今日、男役さんばっかりなんですけど、男の人の世界みたいなところが強くて。ちょっと女役さんにはわるいんですけど、いないから(笑)。
大和: 男の人もすごく観にいらっしゃってて、ホントに昔を知ってらっしゃる方とかも、涙を流してくださってて。この物語で、私たちも何かを伝えることができたのかなぁって、思ったんですけど。
轟: ちょうど私たちのおじいちゃんというか、戦争中、戦後の日本を知ってる人たち、はたまた戦争に行ってた人たちの「話」しか私たちも知らなかったし。ましてやマッカーサー元帥なんかね、社会科のね、教科書でみんな知ってるコーンパイプ姿くらい…だから、実際こうやって日本の国がつくられていって、それでみんなが苦労して、泣いて、協力してっていうのが、すごく勉強になった。
 

●反日派と親日派、2人のアメリカ軍人を演じる悠未と北翔

悠未の演じるグルーパー少佐は同じ連合国軍のアメリカ人将校ですが、日本に反感を持っています。対して北翔演じるブレストン大佐は戦前日本で日本語を勉強したことがあり、親日派です。

轟: (悠未を指して)反日感情を持っているのが…。
悠未: はい…。
轟: (北翔を指して)こっちは…。
北翔: (蘭寿と顔を見合わせて)どっちかというと…。
蘭寿: そうですね。
北翔: 日本側。
蘭寿: そう(笑)。
悠未: 真珠湾攻撃のドキュメンタリーとかを見たんですけど、それで弟を亡くしていて、それによってやっぱりすごく…。アメリカ軍人のなかでもたぶんそういう人はたくさんいたと思うんですけど、今回のメンバーのなかではとくに反日感情を強く抱いている役なんですが。まぁその感情が、白洲次郎さんとか吉田茂さんの率いる日本人チームに出会って、その熱い思いを感じ、そこから、日本人でもこういう熱い志の人たちがいたんだっていうので、変わっていく、っていうのが表現できたらなと思って、やってるんですけど。
大和: …みっちゃん(北翔)は、日本側だものね。勉強していた。
北翔: はい。もともと戦前に、日本に語学将校として来てたので、辰美さんとも知り合いで、日本も好きですし。でも天皇制度であったり宗教感覚はやっぱり理解できないアメリカ人の気持ちもあり、ちょうどマッカーサーさんとグルーパーさんたちの間を取ってなければいけないんですけれども。
大和: むずかしいねぇ。
北翔: やっぱりもともとは日本人なので(笑)、どうしてもあの土下座のシーンだとか、辰美さんがグルーパーと言い合っているときなんかは、日本人の気持ちがどうしても入っちゃうんですけども、そこを押し殺して、アメリカ人としてやるのがけっこう難しいです。
悠未: 私も日本人だからあの土下座のシーンは、もうほんとうにいつも胸にドシンと来るんですよ。膝をついた瞬間にウワーって…。
轟: どういうことかわかるんですか! っていうのと、やめてくれ! っていうので、またこうなるのよね。それでボロッと(笑)、私はして…。
大和: あそこね、きついんですよ〜。あの白洲さんが土下座をしてしまって。でも、アメリカ側から見ると、ここでなんとかしないと、もっと先を見たらものすごいことになるぞ! って。
轟: マッカーサー、大興奮の巻だものね。「しかし」って何回言ったか(笑)。
大和: でも原爆が落ちてというその悲惨さを知ってるのは日本人だし、っていうので、あそこは…。
轟: そこで助けてくれるのが、ここ(蘭寿と悠未)なんです。2人で見合っちゃってるの、私の上で…。そこでふと、絡まっていた糸が解ける…。
悠未: はい。
 
 

●白洲次郎が乗り移っている轟、コーンパイプに苦心した大和

轟・白洲、大和・マッカーサーが、それぞれの役づくりについて語ります。

大和: 轟さん、私ホントに轟次郎さんて言いたくなるぐらい、白洲さんが乗り移ってません?
轟: なんでよ(笑)。
大和: お稽古場から…。
轟: お稽古場で1回だけ、ずっと台本を読むのをやめて、ズーッと椅子に座って「白洲次郎、白洲次郎」って、それしか考えてなかったの。あの人だったらどうするかな、って、写真とか本をチラッと読んだりして。で1回、台本をポイッとして、白洲次郎さんだったらどうするのかな〜って、それだけでやって。そしたら演出家の先生とかに、変わったね、って言われて。で、何がかは、わからないのね。(周りに)何がどうしたって記憶ってないじゃない? お芝居してて。だけど気持ちからやると、なんか変わるのかなぁ、みたいのがお稽古中に1回だけあって…。
大和: 私は、お稽古場のときより、舞台に立ったときの方が、まぁセットとか小道具とかそういうのがあるからかもしれないですけど、軍服を着ると引き締まる思いがしました。
北翔: 厚木飛行場でレーバンしてコーンパイプで出てきたときは、あぁマッカーサーだな! って思いますよね、やっぱり。
大和: あのコーンパイプがね、大きいのよ(笑)。小さいのと大きいのがあって、厚木飛行場の場面では、やっぱり本当のマッカーサーさんは大きいの使ってたので、大きいのを使おうと思って使ってるんですけど、くわえると重くてね、こう(下がってしまう)なってしまうんです(笑)。あそこは、みなさんが印象に残っている場面なので、私も昔の映像とかを見て、あぁ腰に手をやってたんだ、とかいろいろ見たりして(笑)、降りてきてます。
蘭寿: 直接対決のところって、はじめてお会いするのって、けっこう後半じゃないですか、白洲さんとマッカーサーが。執務室のところ。
轟: 吉田茂さんと話しているところに急に行って。あのヘンな秘書が…。
大和: すみません、ウチの秘書がいろいろやって…(笑)。いきなりバシバシ来ますよね、白洲さん。こうじゃないですか、って来る感じで、ものすごい(笑)。
轟: (大和を指して)フフンって笑うのよ(笑)。こっちにも、それはそうじゃない、という意見があるからね。
 

●レクイエムダンサーを率いる蘭寿…想いを掘り起こした自主稽古

吉田茂を演じている汝鳥伶の演技と人となりについて、被爆した長崎と同じ九州出身の轟の思いなど、興味深い話がまだまだ続きますが、大和がいつ見ても涙が出るという「レクイエム」の場面のトークを紹介しましょう。戦況が悪化して、若者たちが命を失う状況を白洲が憤るというシーンです。蘭寿は辰美のほかに、この場面で寿つかさと共にレクイエムダンサーを率いています。

大和: 私いつも、群青の場面、あそこが、曲を聞いてるだけでも涙が出るし、なんともいえず切なくて。で、雪が降っているんですね。それがものすごくググッと来ます。
蘭寿: 稽古中にみんながその気持ちになるのがけっこう難しくて。もちろん曲も聞いたり歌詞も読んだりしたんですけども、どうしたらいいんだろう、って言ってて。『連合艦隊』のビデオをスッシーさん(寿)が持ってきてくださってみんなで見たんですよ。見たらやっぱり全員泣いてしまって、じゃぁこの想いのままやってみようよってやったら、最初の兵士たちが立っているだけでそれぞれの思いみたいなものが出てきて、その立っているのを見てるだけでこっちが涙するぐらい気持ちが入ってきて。一人ずつ、兄弟を守るためだったりとか愛する人を守るために自分が死んでいくとか、それぞれの想いがあるんだね、っていう話をして。そこから自分のなかでのレクイエムダンサーとしての想いが芽生えてきて。だから毎日、みんなで絶対出る前に集中しようね、って言って。
悠未: すごくいい時間だったね、あの自主稽古は。…愛する人を守るためにみんな飛び込んで行ったんだな、っていうのを映画を見てわかって。アメリカ人なんですけど(笑)、そこだけは。
 

●レビューとショーの中間を…華やかな『Passion 愛の旅』

ショーの話はまずプロローグから。燕尾服の幕開きは宙組ではめずらしいんです。

大和: 今回はショーでも轟さんに出ていただいて、『Passion 愛の旅』ですのでいろんな国に行っていろんな愛を表現しているんですけども、オープニングがまずイシさん(轟)の燕尾、男役がみんな燕尾を着て、あそこがすごく、舞台稽古で見て、カッコよくて。
轟: 宙組であんまりなかったらしいね。
大和: なかったです。
悠未: 燕尾とか…。
轟: ああいうふうなオープニングがなかったと聞いて、ウソって言ったけど。
大和: だからすごく新鮮で。
轟: 酒井先生のショーってホントにお衣装、きれいだよね、各場面ね。そのあとにみんな出てくるじゃない。で、えんじ色系の衣装、あれも女役さんがまたね、近くで見るより、舞台稽古のとき客席で見たけれど、すごくきれいなの。みんなきれいよ、って言ったら、顔かと思って(笑)…。

場面ごとに話は進みますが、いちばんの話題はフィナーレの、大和が女性姿で轟と踊るシーンでしょうか。

轟: え!? ってのが出てくる(笑)。
大和: おカマ?(苦笑い)
轟: ウー(笑)。でも舞台稽古で3つもカツラを用意していて。
大和: いろいろ、どれがいいかと思って。
轟: ホーって言って、次、うーん…ゲッとか言って(笑)。
大和: (笑)どれがお好みですか? っていう感じで。
轟: 先生たちの意見とかもあって、結局あれで。
蘭寿: 大人! って感じですよ。
北翔: 不倫なんですか。

(一同笑う)

轟: 演出家の先生は不倫だって言うんだけど、振付の先生は不倫はダメ! って(笑)。…振付が終わって、やっぱり不倫だなっと思っていたら、その延長で男役になるでしょ? で、男役でも手を引っぱったりとか手を合わせたりとか、肩をもんだりしてる。すごい悩んだのよ。
大和: え!? これはどういう気持ち? って。
轟: これはなんなんでしょうか、って聞いたら、これはさっきの人の、不倫相手の弟さん(笑)って。だからどうするんですか? って。
大和: 弟と言われても(笑)。
轟: でも今日観にきていた上級生の方が、実は男性だったと、そういう解釈で観てたと言われて。だから女性じゃなかったの、もともと。
大和: あぁ、ちょっと女装してたと(笑)。
轟: これだ、これだ、と思ってね。結局はそうなるんですね、切り離せないと(笑)。
大和: でもお客さまの想像に任せる、そういう見方でいいのかもしれないですね(笑)。
 

最後、轟が宙組に出演した感想と期待を述べて座談会は終わりました。紹介のほかにも、楽しい、そして内容の濃いトークがいっぱいです。ぜひ放送をご覧になってください。

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