HOME > NOW ON STAGEダイジェスト[宙組・東京宝塚劇場公演『黎明の風』−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦− 『Passion 愛の旅』]

NOW ON STAGE 宙組・東京宝塚劇場公演
『黎明の風』−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦− 『Passion 愛の旅』

ミュージカル・プレイ
『黎明の風』
−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−
作・演出/石田昌也
吉田茂の懐刀として自らの信念を貫き、戦後日本の復興・独立に「舞台裏」から尽力した白洲次郎の姿を描いた作品。「日本は戦争に負けただけで、アメリカの奴隷となった訳ではない!」とマッカーサーを恫喝し、GHQから「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめ、「葬式無用・戒名不用」とたった二行の遺書を残し、昭和を駆け抜けた白洲次郎の生き様を、夫婦愛、敵対する者との友情、そして平和へのメッセージを込めて、壮大にミュージカル化。
世界恐慌、軍部の台頭、暗雲渦巻く昭和3年。9年間のイギリス・ケンブリッジ大学の留学を終えた白洲次郎が帰国する。一方、アメリカのハートリッジハイスクールを卒業した樺山伯爵の令嬢・正子も留学を終え帰国。次郎は神戸の中学時代から自動車を乗り回し、喧嘩の絶えない暴れん坊。留学というよりも父親の命令でイギリスに「島流し」にされた「育ちの良い野生児」である。一方正子は華族の令嬢として「お能」を習う反面、スポーツや射撃にも興じ、気に入らなければ男も殴りつける「韋駄天お正」と異名を持つお転婆娘であった。
グランド・レビュー
『Passion 愛の旅』
作・演出/酒井澄夫
人生、夢、愛は果てしなき旅でもあります。それをテーマに華やかなレビューを……。若き日の夢は新しい扉を開き、大空に希望を求めて旅立っていきます。野望と欲望、愛と栄光、それらを様々な世界に、いろんな国に、ドラマティックに、ノスタルジックに、少し心に残るハッピーなレビューに構成した作品。
白洲次郎をモデルにした『黎明の風』−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−(石田昌也作・演出)、そして愛がテーマのレビュー『Passion 愛の旅』(酒井澄夫作・演出)。宙組の話題作が、東京宝塚劇場にやってきました。『黎明の風』は、吉田茂の懐刀として、戦後日本の復興、独立に「舞台裏」から尽力した白洲の活躍を、夫婦愛、友情、そして連合国軍との関係を軸に描いた作品。白洲には専科からの特別出演の轟悠、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーを大和が演じています。今回の座談会には、轟と大和、そして組長の美郷真也と副組長の寿つかさ、さらに美羽あさひ、和音美桜が出席。大劇場公演を終えた手応え、東京公演への抱負などを語っています。そこからかいつまんで紹介しましょう。
●『黎明の風』…大劇場公演では「発見がたくさんあった」大和。
轟と美郷には秘密の時間が?
まずは『黎明の風』について。大劇場公演を終えた感想を楽しく語ります。この芝居で、美郷は政府の事務官・近藤を演じていますが、轟との間で秘密の時間があるとか。今公演で退団する美郷が楽しそうに語ります。
| 轟: |
マッカーサー、どうでしたでしょうか。 |
| 大和: |
大劇場公演中は、幕が開いてからホントに発見することがたくさんあって。お芝居をやりながら、いろいろな方のお芝居が変わると、自分もあぁと思いながら、千秋楽までアッという間にすぎたんです。 |
| 轟: |
心地よい緊張感と、あとその空気の流れを感じてやっていて、ほんとうにアッという間という感じがしました。 |
| 大和: |
緊迫する場面というか、私はとくに難しい言葉で、怒鳴ったりとか「こうじゃない!」とか言うのが多かったので、いつも以上にソデで緊張しました。 |
| 美郷: |
難しい場面ばっかりですものね。台詞も、ほんとうの出来事ですし。そういう意味で重みがありますよね、一つずつの場面が。 |
| 轟: |
なんかエピソード、ありました? |
| 美郷: |
「近藤です」(笑)。私は事務官ということで、アームカバーをしていて、あれ一つですごく雰囲気が出るんですけど、いつもソデで白洲次郎さまに付けていただいたりしてるんです(笑)。 |
| 轟: |
「侵略を始めました」でドドーンと女役さんがお芝居をはじめたときにドーンと走ってきた延長で、はい、はい、って付けて(笑)。 |
| 美郷: |
付けたり取ったり、大変なんです。 |
| 轟: |
縫い目がこんなところ(腕の外)にきてたんで、ダメダメ、事務員の人はキッチリ、縫い目は内側に、って。 |
| 美郷: |
キッチリねって。私なんか自分でやるとどこでもいいやって感じで(笑)、イシちゃん(轟)がキッチリやってくださるんですよ。 |
| 大和: |
(笑)そうとは知りませんでした。 |
| 美郷: |
秘密の時間があるんだな(笑)。 |
| 轟: |
30秒、20秒ぐらいなんだけどね、そこでちょっと懐かしい会話をしたりとか。 |
●寿は白洲の親友・ロビン。そして美羽はマッカーサーの妻・ジーン
寿は、白洲次郎のケンブリッジ留学時代からの親友で、伯爵の称号を持つイギリス貴族、ロビンを演じてます。美羽はマッカーサーの妻、ジーン役です。
| 寿: |
ロビンちゃんとしては、毎日、次郎さんがすごく新鮮に舞台に出てくるので、あ、今日はこう出てくるかと、いつも楽しくお芝居させてもらいました。 |
| 轟: |
別に打ち合わせはなくても、たぶんやってくれるだろうなという人には、どんどん。できること、可能性のあるものは、やっぱりやっていきたいし、試してみてそれがしっくり行くのかどうか、自分のなかで試したい。それが急に試したくなるとか、そういうのがある。やっぱり(寿は)上級生だからしっかり受けてくれるから、ある意味安心して。何かやったら助けてくれる顔ぶれって感じがして…。 |
| 寿: |
(うなづく)でも何をされても白洲次郎さんだし。ゆうちゃんさん(汝鳥伶)も何をしても吉田茂さんで(笑)、すごいなぁと思いながらお芝居させていただいています。 |
| 轟: |
ジーンさんとは私、関わりがないんだけど。 |
| 美羽: |
そうなんですね。 |
| 轟: |
どうでしたか? タニちゃん(大和)。 |
| 大和: |
結婚式のあとの場面とか、いつも素敵に可愛く出てきてくれて。 |
| 轟: |
あのドレスきれいだったね! |
| 美羽: |
新人公演で客席からはじめて見て、あんなにキラキラ光るんだってことを知りました。…そこのところは幸せで、でもそのあとはいつも堪え忍んで「ついていきます!」って感じで。でも轟さんや上級生の方々に「あまり台詞を呑む芝居ばっかりをしてしまうと日本人ぽくなってしまう。解任のシーンとかはもっと発散していく方が場面的にもいいし自分自身もやりやすくなるんじゃない?」って教えていただいて、今はとてもやりやすくなってます、東京に向けて、はい(笑)。 |
●白洲正子の和音…ネクタイを結ぶ場面は難しい
白洲正子を演じている和音。次郎のネクタイを結ぶところは、難しいようで。
| 和音: |
ネクタイをさせていただくところは、ホントに毎日、仕切らせていただいて(笑)。 |
| 轟: |
ぐっちゃぐっちゃになってしまったり(笑)。でもいいんだけど、それでも。 |
| 和音: |
黙ってやってると長さとかも考えられるんですけども、怒っててしゃべりながらやってたら(笑)あんまり考えないでクルクル巻いてしまっていて。いつもそのあとにネクタイがこうガサッと出てて「すみません!」って(笑)。 |
| 美郷: |
難しいですよね、あれ。 |
| 大和: |
人のするのって、ねぇ。 |
| 美郷: |
自分たちのはするけど、人のを正面でこうやると…。 |
| 轟: |
結婚した生徒が「失礼します」って後ろから巻いたって、ご主人のを(笑)。 |
| 美郷: |
わかります。こっち(後ろ)からならできるけどね。 |
| 寿: |
難しいと思います。ネクタイってこんなに太くなるのかなぁってぐらい太かったりして(笑)。 |
| 和音: |
(笑いくずれる) |
| 轟: |
あれホントの西陣織、京都のOGの方から。 |
| 寿: |
そうなんですか!? |
| 轟: |
うん。…あの、タニが歌っているところで後ろを回るとき、私が浮かれていたら(ブーッとふくれて)すごい顔をした(笑)。 |
| 和音: |
(ニコニコして)はい。 |
| 轟: |
小学生の喧嘩(笑)。 |
| 美郷: |
仲むつまじいってことですよ(笑)。 |
まさにそっくりの吉田茂を演じる汝鳥伶のエピソードなど、楽しい話が続きますが、この辺はぜひ放送で。楽しいですよ。
●幕開きから大人っぽいレビュー…『Passion 愛の旅』
幕開きは黒燕尾。そこから渋い赤に転調する『Passion 愛の旅』は、シックで大人っぽい色調のレビューです。
| 大和: |
『Passion 愛の旅』、どうでしたか? 大劇場は。 |
| 轟: |
おもしろかったね。 |
| 美郷: |
場面ごとにいろいろ変化があって。 |
| 轟: |
私はいろんな組に出て、自分も過去にやってきたという意味で考えて、幕開きが宙組としてはめずらしい宝塚的な色合いではじまるって、下級生からも上級生からも聞いて。 |
| 美郷: |
今回、すごく宝塚らしいショーというかレビューなんで、いつもの宙組とは違うタッチが多かったんですよね。私も雪組時代とかにはけっこう経験していたショーのスタイルって感じで、今回は。 |
| 大和: |
男役の黒燕尾からはじまるってのが、なんか、はじめてというか…。下級生もだから、振付のときからすごく気合いが入ってました。 |
| 轟: |
やはり黒燕尾、男役をいちばん美しく見せる黒燕尾の、尻尾がいつパラッと来るかとか、ベストと上着の着丈であるとか、あと襟がフッと抜けるのをピシッと正すとか、そういう男役の美学を、下級生が楽しんでやってくれたらいいし。やはり背筋が伸びるね。 |
| 美郷: |
経験してみないとわからないですよね、やっぱり。 |
| 轟: |
若央(りさ)先生の振付で、若央先生も月組時代にカッコよく踊ってらっしゃったし、だから男役ってものをやはり知っている先生だなぁって。だから無駄があまり、ガチャガチャがない。ガチャガチャすると、ただ汚いですから、ただ着くずれるだけだから。そこに宝塚の品位とか、宝塚の正統派の動きとか、それを、いい機会だから、下級生たちに勉強してもらえたらなっていう、そういう幕開きだよね。そのあとは女役さんたちがダーッと出てきてね、赤と。 |
| 美郷: |
情熱的な赤ですからね。 |
| 轟: |
パッションですからね。 |
●大和中心の「大空へ」は、宙組らしく若々しい場面
プロローグに続く「Passion 大空へ」は、大和と美羽が中心。士官学校の卒業生たちが、大空への希望を込めて、若々しく踊ります。
| 大和: |
舞台に行ったらセット何もなくて、斜めにシューっていうのだけで。 |
| 轟: |
あれって飛行機雲かな、なんて思って(笑)。 |
| 大和: |
でも踊っているとすごく気持ちいいんですよ、やっぱり舞台一面何もなくて。ただすごく、しんどいのはしんどいんですけど、気持ちよくね。 |
| 轟: |
体育会系なぐらい、みんな動いているよね。 |
| 美郷: |
ずっと踊ってますよね。 |
| 大和: |
ちょっと部活動みたいな感じで(笑)。 |
| 美羽: |
一回ソデにはけちゃうとちょっとしんどいんですけど、でも舞台に立っているとすごく気持ちいいですよね。 |
| 大和: |
最後は達成した気持ちですもの(笑)。 |
| 轟: |
でもまさみ(美羽)、すごく雰囲気よくなった。 |
| 美羽: |
あ!? ホントですか。 |
| 轟: |
昨日ほめてあげようと思って、すっかり忘れてた(笑)。 |
| 美羽: |
(笑)今日もがんばります。うれしいです。 |
| 大和: |
セリが上がっていて2人で踊るんですけど、そこがほんとうに雲の上で踊っているみたいな感じで、怖かったりもするんですけど(笑)。 |
| 轟: |
で、それを次の場面に準備した私は、花道出るところから、もう半分歌いながら半分踊りながら、いいなぁ、あんな爽やかな場面って。私の場合、下級生のときから色濃い場面が多くて(笑)、爽やか系はすべて上級生の方の方に行ってたんで。 |
| 大和: |
そうですか!? |
| 寿: |
お稽古場からイシちゃんね、ずっと歌ってらっしゃいましたものね。いいね、この場面、とか言って(笑)。 |
| 轟: |
そうなのよ。やりたいことを私はやるとか言って、花道の暗闇でやっていたら、ふと振り返ったら振付の御織(ゆみ乃)先生だったの(笑)。「なにやってんの!」って言って、「こういう爽やかな場面、私はつけてもらってないから!」って、急に先生に文句を言って(笑)。 |
エキゾチックで不思議な「砂漠の薔薇」、華やかな中詰め「燃えるカルナバル」など話がはずみます。フィナーレの目玉、轟と大和の耽美的なデュエットダンスでは、女役に張り切る大和、東京に向けてまたまたカツラを新調したとか。楽しみです。そして退団していく美郷に対し、メンバーそれぞれが思い出を語り、美郷からも今の心境が。濃い内容の座談会でした。ぜひ放送でお楽しみください。