HOME > NOW ON STAGEダイジェスト[星組・宝塚大劇場公演『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)』]

NOW ON STAGE 星組・宝塚大劇場公演
『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)』

三井住友VISAミュージカル
『THE SCARLET PIMPERNEL
(スカーレット・ピンパーネル)』
THE SCARLET PIMPERNEL
Book and Lyrics by Nan Knighton
Music by Frank Wildhorn
Based on the Novel “The Scarlet Pimpernel” by Baroness Orczy
Original Broadway Production Produced by
Radio City Entertainment and Ted Forstmann
With Pierre Cossette, Bill Haber, Hallmark Entertainment and
Kathleen Raitt
潤色・演出:小池修一郎
イギリスの作家バロネス・オルツィの小説「スカーレット・ピンパーネル」をミュージカル化したもので、脚本・作詞をナン・ナイトン、音楽をフランク・ワイルドホーンが担当し、1997年にブロードウェイで初演。1998年には、トニー賞のミュージカル作品賞、ミュージカル脚本賞、ミュージカル男優賞にノミネートされました。今日においても、全米やヨーロッパ各国において上演されている人気作品です。「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」は、フランス革命の最中、革命政府に捕らえられた貴族達を救い出す、イギリスの秘密結社。その首領パーシー・ブレイクニーと、革命政府全権大使として組織の壊滅に乗り出したショーヴランとのかけひきを、パーシーの妻マルグリットを交えた三人の愛憎を絡ませながら描き出した作品です。ワイルドホーンとの共作『NEVER SAY GOODBYE』(2006年・宙組公演)で文部科学大臣賞を受賞した小池修一郎が、今回はワイルドホーンの大ヒット作の宝塚バージョンを手掛けます。
宝塚大劇場では星組が『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)』を上演中です。この作品は、イギリス人作家バロネス・オルツィの小説「スカーレット・ピンパーネル」を、脚本・作詞ナン・ナイトン、音楽フランク・ワイルドホーンでミュージカル化し、1997年ブロードウェイで初演された作品の、小池修一郎の潤色・演出による宝塚バージョンです。物語は、フランス革命の最中、革命政府に捕らえられた貴族を救い出すイギリスの秘密結社「スカーレット・ピンパーネル」の首領パーシー・ブレイクニーとその妻マルグリット、結社の壊滅に乗り出すフランス革命政府全権大使ショーヴランという3人の愛憎を軸に描かれた冒険活劇です。今回の座談会には、パーシーを演じる安蘭けい、マルグリットの遠野あすか、ショーヴランの柚希礼音、さらに「スカーレット・ピンパーネル」団の一員デュハーストの立樹遥、同じく団員フォークスの涼紫央、マルグリットの弟アルマンの和涼華、アルマンの恋人マリーの夢咲ねねが出席。初日から少したった手応え、稽古中の苦労などを語ります。そこから少し紹介しましょう。潤色・演出の小池のインタビューも興味深いのですが、そちらはぜひ放送でお楽しみください。
●初日の拍手で手応えを感じた安蘭と遠野。稽古場から大緊張していた柚希
自己紹介の後に、恒例のじゃんけんで決まった司会者は和。初司会に緊張した面持ちでまず「初日開けて、いかがですか? とうこさん(安蘭)いかがでしょうか」。
| 安蘭: |
お稽古場から、この作品はいったいどうなのかと不安でいっぱいだったんですけど、初日幕が開いて、お客さまの反応に驚き、すばらしく温かい拍手をいただいて、こっちがその拍手に感動してしまいました。1幕のラストで、みんなは後ろにいるけれど、私一人銀橋にいて、そのときの初日の拍手がね、すごかったの。みんなはたぶん幕中だから聞こえないと思ったけど、それを銀橋で一人で浴びたときに、手応えを感じて。これって「おもしろいんちゃう!?」ってね。 |
| 柚希: |
私たちもね、紗幕を通してお客さまの表情がライトに当たっててすごく見えて、(拍手が)すごかった。 |
| 立樹: |
割れんばかりで。 |
| 安蘭: |
これ「おもしろいんちゃう!」と思いながら2幕も終わって、最後のカーテンコールが、スタンディングで。あれまた、びっくりしたね。 |
| 遠野: |
私も、この作品がはたしてどうなのかって考える余裕もなく、自分のことにいっぱいいっぱいで初日を迎えたので、「あ! おもしろいんちゃう?」って思いました(笑)。銀橋で歌ったりお芝居したりしているときに、お客さまが近いじゃないですか、客席でこういう(引いて見る)感じじゃないんですね、みんな。こういう(前のめり)感じで、みなさんが乗り出してすごく集中してらっしゃるのを感じて、「あ! おもしろいんちゃう?」って思いましたね。 |
| 柚希: |
自分のことで精いっぱいで、作品全体はどうかなと考えもできないうちに初日だったんですけど。(稽古場で)小池先生一人で見てらっしゃるのと、お客さまいっぱいなのと、同じぐらいの緊張感だった…。 |
| 安蘭: |
え!? |
| 柚希: |
ふだんは初日がすごく緊張するんですけど、お稽古場で毎日すっごい緊張してたから、いつもの初日よりは緊張せず…。 |
| 安蘭: |
そうか。 |
| 和: |
それはありますよね。 |
| 安蘭: |
…ショーヴラン、かなりしごかれてたから。 |
| 柚希: |
すごくしごかれて。 |
| 安蘭: |
その緊張でまた先生が突っつくとかあったじゃない? 緊張してるから自分の思い通りできないし、それでまた先生、チッチッチッと突ついて(笑)…。 |
●幕が開いても変化し続ける作品…立樹、涼、夢咲、和の感想
演出の小池は幕が開いてもどんどんダメを出してきます。下級生一人一人まで細かく見ている小池の愛情に応え、がんばりたいという立樹と涼です。そして組替え後はじめての星組大劇場公演の夢咲、舞台上の早変わりが大変な和も、手応えを語ります。
| 立樹: |
おもしろいですよね、この作品。自分が出てない場面でも、ソデで見てたりすると、お客さまの反応が思ってた以上で…。また小池先生がこの作品にかける愛情がすごいじゃないですか。私たち(スカーレット・ピンパーネル団の)党員なんですけど、毎日なにか変わるんですよ。それは先生が客席から舞台を見て、稽古場とはまた違う、セットであり照明だとか、そういうのを見た上で、やっぱりこっちの方がいいんではないかっていうので変えるでしょ。今日もまた変わりましたけど(笑)。だからそういう愛情がすごくうれしいなと思って。いいものを創ろうと妥協しない、そういう気持ちが。だから、がんばりたいなと思いますね。 |
| 涼: |
この座談会で小池先生という言葉が何回出てくるでしょうね(笑)。なくては語れないものが多い。 |
| 全員: |
(笑う) |
| 涼: |
小池先生だから(笑)これだけ、作品もいいし、脚本もいいし、曲もいいし。それで下級生1人1人まで舞台でどう表現していいかを先生が盛り上げるという、そういう感じが…舞台稽古からご覧になった方に、いい作品、みんながんばってるっておっしゃっていただいたので、どんどん調子にのってきますね。毎日幸せです。 |
| 和: |
ねねちゃん(夢咲)は? |
| 夢咲: |
お稽古場で見ていたのとやっぱり違って、衣装とかいろんなマスクとかもつけたりして、ソデとか花道とかから見ていてもすごくおもしろくて。民衆のところとも、自分は出てないんですけど、すごい迫力だなと、毎回カゲコーラスボックスにいても思うんです。 |
| 立樹: |
シミコ(和)は? |
| 和: |
私は、舞台上での早変わりがあるので。すごい短いですよね、あれ。 |
| 立樹: |
すごい短い。 |
| 和: |
それで鏡もないし、カツラも被らないといけないし、あげくセリフも言わないといけないじゃないですか、途中で。今日は被ったら帽子のヒラヒラとしたのが全部中に入って(笑)、民衆の子に直してもらえたんですけど。そこが、舞台に立ってからいちばん動揺してるんですけど(笑)。 |
●パーシーと「スカーレット・ピンパーネル」団の党員たち。役づくりは?
パーシーは、イギリス貴族でありながら「スカーレット・ピンパーネル」の仲間たちと、革命後のフランスで貴族を助ける活動をしていますが…。
| 和: |
今回、ワイルドホーン先生の壮大な歌とバラエティあふれる演出で、すごくお稽古場から苦労してきたんですが(笑)、私は。みなさんは役づくりで苦労された点など、ありましたら教えてください。安蘭さんからお願いします。 |
| 安蘭: |
そうですね、イギリス貴族で、イギリス一のお金持ちなんですよ。国王ともとても仲良しなぐらい金持ちで。でもそういう人が、あぁいうふうに国を隔てて人を助けるっていうことを、なぜするのか? っていうところが、あまり理解ができず。どうしてなんだろう? って思っていたら、歌唱指導の楊(淑美)先生が、イギリスの人って、そうやってお金持ちの人が貧しい人を助けるボランティア精神って当たり前なんだって。で、それはふつうにやっていることであって、それがフランスを助けるっていうことで、ちょっと規模は大きいけど、生きていれば当たり前のことなんだ、ってことを聞いて、あぁそうかと思って。でもやっぱり、そういう精神ってなかなかわからないんです。だからその辺を理解するのが難しかったなぁ。あとは、何役かやってるので、役をそれぞれ作るのが…それはそんな苦労してないかな(笑)。おもしろいよ。 |
| 立樹: |
私は、台本を読んだときに、けっこうきついセリフを言っているので、仕事面とかには厳しい人なんだなぁというのが印象にあって。ちょっと兄貴的な存在になれたらいいなと思ってやってるんですけど。でも舞台に立ってから、衣装をつけたりとか環境が変わって、で、みんなも変わってくるじゃないですか。そうするとどんどん、みんなと一緒に向上できる…それを目指してるんですけど。あとなによりも早変わりですね。早変わりがけっこうカツカツで(笑)、慣れる日が来るんだろうか? っていう感じなんですけど。 |
| 安蘭: |
党員が何人だっけ? |
| 涼: |
私入れて9人。 |
| 安蘭: |
その1人1人のキャラを出すのがはじめは…。 |
| 立樹: |
大変だったねぇ。 |
| 安蘭: |
ここにいないメンバーは、あかし(彩海早矢)とかは別なのかもしれないけど、ちょっと下級生だから、やっぱりそれぞれキャラを出すのが、はじめはすごく苦労してたじゃない。 |
| 涼: |
そうでした。 |
| 安蘭: |
結婚式のあとの芝居をふつうにやったら、なんかクラブ活動みたいになったりとか。そうならないようにしようとしたら…。 |
| 立樹: |
おとなしくなっちゃって。 |
| 涼: |
そうなんです。これはこういうの(上がったり下がったり)のくり返しだったでしたね、ここまで来るまで。 |
| 安蘭: |
すごい苦労したよ、きっと。私は任せてたけど。 |
| 柚希: |
しいちゃん(立樹)とか、やってましたものね。 |
| 安蘭: |
今もです。 |
| 立樹: |
でもみんなすごく、個々に勉強になってると思いますね。 |
| 和: |
しいちゃんさんとかとよこさんとか見てくださってたじゃないですか、最初のころ、党員集めて。それでとうこさんから最終的に言っていただいた内容を元にみんなでがんばろう! って、あまり上級生の方に迷惑かけちゃいけないって、私とかあかしでやってたんですけど、だんだんだん何が正しいかわからなくなってきて、お手上げみたいになっちゃって(笑)。この方向性で合っているか見ていただいていいですか? ってまた相談してっていうのを、くり返して。でもとうこさんに、とうこさんのセリフをちゃんと聞いた自然な反応をしてなくて、自分たちのキャラ造りに精一杯すぎてここで自分はこういうキャラだってアピールするみたいな方向に行っちゃってたんで(笑)、修正していただいたりとかして。未だに試行錯誤しながら、やっと初日が開いて(笑)。みんなダメダメ言われすぎて、すごい凹んでたんで、舞台稽古のあとに、声楽の三矢先生が「すばらしかった」とおっしゃってくださって、はじめて誉められたって(笑)、党員たちは誉められたら伸びるタイプだからがんばります! って言って(笑)がんばってました。 |
| 安蘭: |
なかなか稽古場では誉めてもらえなかったものね。厳しい小池先生に毎回捕まって(笑)。 |
●遠野マルグリットの衣装は夢咲マリーの担当
夢咲と遠野も役づくりについて語ります。夢咲のマリーは、コメディ・フランセーズの女優だった遠野マルグリットの衣装担当でした。
| 夢咲: |
すべて難しかったですけど、はじめてあすかさん(遠野)とお芝居させていただいて。 |
| 遠野: |
はじめてだったよね。 |
| 安蘭: |
そうか。 |
| 夢咲: |
はい。見ていてもすごく勉強になっていたんですけども、いざちゃんとお芝居をしてみて、そのキャッチボールというか、やってみて学ぶところがいっぱいあって、毎回、勉強させていただいてます。 |
| 遠野: |
これ、くり返し放送していただきたい(笑)。 |
| 全員: |
(笑う) |
| 安蘭: |
今回はしかも、友達。 |
| 夢咲: |
そうなんですよね。全部衣装を担当させていただいてます。 |
| 遠野: |
私の衣装は全部マリーが作ってる。 |
| 和: |
結婚式のウェディングドレスも自分が作ったって言ってます。 |
| 安蘭: |
あれはパーシーがパリで作った。パリであつらえてきた(笑)。 |
| 遠野: |
食い違っている(笑)。 |
| 和: |
じゃぁ、あすかさん。 |
| 遠野: |
私? 私は最初、やっぱり女優ぽさが足りないと、すごく言われて。大地真央さんぽさが足りないって(笑)言われて。 |
| 安蘭: |
お稽古場で眉毛とか女優ぽく描いてとか言われてたね、雰囲気から。 |
| 遠野: |
そんなこんなで。で途中、今度はやりすぎて、もっとふつうに戻せ、ってみたいなこともあったんですよ。で、最近ようやく落ち着いてきたみたいな感じなんですけど。そうですね、あとは歌が…これはまだ苦戦中なんですけど。高い方とか、ふだんはやはり多いじゃないですか。だけど微妙なキー、微妙なミュージカルの、娘役にはちょっと難しいみたいな音ばっかりで、未だに苦戦中という感じです。 |
●ショーヴランは、悩ましい…柚希
宝塚では『NEVER SAY GOOODBYE』でおなじみのワイルドホーンの曲は音域が広く、みんな苦心惨憺。とくにショーヴランの柚希は、慣れない悪役に加え、歌の面でも大変です。
| 和: |
でも歌、ホントにすごく高くて低くて、柚希さんもとうこさんも。聞いてるだけでも。 |
| 遠野: |
高いですか? |
| 安蘭: |
高いところもあるけれど、幅が広いよね。 |
| 遠野: |
ショーヴランは高くて低い。3人で音を取ったときに、びっくりした。 |
| 柚希: |
…低いのは歌詞が聞こえないなぁと思って。 |
| 遠野: |
悩ましいねぇ。 |
| 柚希: |
…私に行っていいですか? 私はコテンパンすぎて(笑)。稽古場がコテンパンすぎて、初日とか通しでよかったという言葉を聞いても、それが信じられないぐらい、未だに出番前、そうとう集中してから出ないと、出られないです(笑)。 |
| 遠野: |
チエ(柚希)と私が稽古場で隣りで座ってるんですけど、いろんな方にそこだけ暗いって(笑)。 |
| 柚希: |
稽古場から(笑)。 |
| 安蘭: |
でもショーヴランのキャラがもう、チエの中にないキャラやもん。 |
| 柚希: |
そうなんです! |
| 安蘭: |
だからそのキャラを創るのに大変やったものね。 |
| 柚希: |
何もかも違いすぎて。自分がチョコチョコ出てくるたんびにまた変わっちゃうから、そのふつうの自分を封印するのが、無茶苦茶難しかった。 |
| 和: |
隅っこでご飯食べてましたものね。 |
| 柚希: |
そう〜。 |
| 立樹: |
話しかけないで、って。 |
| 安蘭: |
そういうふうにしたら、って言われてたものね。 |
| 柚希: |
そう、先生に言われた。 |
| 安蘭: |
みんなと交わらないように、って言われたのに、みんなとワイワイ…。 |
| 全員: |
アハハハ…。 |
| 安蘭: |
したやろ? |
| 柚希: |
…ときどきは。 |
| 安蘭: |
ときどき?(笑)。 |
| 全員: |
アハハハ…。 |
リーダー的な役がはじめての涼の苦心話、小池が相手役のマリーに扮した和の夜稽古など小池の稽古話、難しいけど歌うと気持がいいワイルドホーンの曲、それぞれが語る作品と役の見どころなど楽しく興味深い話が続きますが、残りはぜひ放送で。大変だった稽古を乗りこえ、たしかな手応えを感じているメンバーの充実した表情が印象的な座談会でした。