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TAKARAZUKA SKY STAGE
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第6回〜第10回バックナンバー


 第10回

 今年はテレビ開局50周年を迎えるそうです。
そう!今月のコラムが出る2月1日が、まさにその記念日です!!
50年といえば半世紀。時は21世紀。2000年の歴史の中での50年は微々たるものですが、テレビという歴史のなかでは技術は目覚しく発達しました。
地上波、BS・CS放送から、ケーブルテレビでの放送を含めると、チャンネル数は約300チャンネル以上に増え、視聴者はテレビを選ぶ時代になりました。・・・とはいえ、いったいどれだけの人々がこの複雑な電波事情!?を理解しているか・・・。

少々堅い話になってしまいましたが・・・その50年前、NHKのテレビが始まったとき、テレビの台数は全国で866台。“すべてが生”放送!将来録画が出来るなど、夢にも思っていなかった時代・・・。
そのころからテレビに出ていて、今もレギュラーを持っていらっしゃるのは、“黒柳徹子さん”お一人だそうです。当時のドラマで取り返しのつかないことが起こり、「これ以上続かない!」と思うと、スタジオのあちらこちらに落ちていた「終わり」というフリップを俳優さん自ら拾い上げ、カメラに押し付けていたとか・・・。その後画面には「しばらくお待ちください」という字が出て、番組は終了。
でも、幾多の困難に見舞われながら、スタッフ一同、一丸となって番組を作り出されていたそうです。そのころの映像があったら、是非、見てみたいものです!

・・・今、このコラムを書いている私の横で若かりし頃、台所に立たれる美智子皇后のお姿が偶然テレビに映し出されました。
白黒映像ですが、この映像を通して現在の美智子皇后の人生の歴史というものを感じ取ることができました。
ひとつの歴史を語るとき、映像というものは大切な役目を果たしてくれます。録画技術のなかった開局当時のことを伝えてゆくには、人から人への口伝えや文章に残す方法などがあると思います。でも、時が録画技術というものを私たちに与えてくれたのなら、映像として残しておくべきものが沢山あるのではないでしょうか。口伝えが人間の耳を、書物が頭を、映像が目を養ってくれるものなら・・・何倍にも世界は広がり続けると思います。

来年、宝塚は90周年を迎えます。
これを目標に「宝塚」というものを映像に残しておきたいと思いました。それが、先月コラムに書かせていただいた番組作りの発端です。この半年間スーパーバイザーとして、主に番組制作についてのアドバイスをさせて頂いて参りました。映像の世界で参加するのは初めてのことですし、また全番組をチェックするのに追われ、番組制作などまだまだ先と考えておりましたが、現状維持の状態から作るという一歩先に進む目標を立てました。
以前、過去の宝塚映像で無声映画時代に音楽学校の試験用に作られた映像を見て、感銘を受けました。小林一三先生がその時代にどのようなお考えでこの映像を撮られたか、生きていらっしゃったら直接お話を伺いたいと思いました。そして、そのお考えを追求してみたいと思いました。

開かれた皇室のように台所の中を・・・とまではいきませんが、時を経ても映像が物語るもの、100年、110年を迎えたときに振り返ることの出来るもの・・・そんな番組を作ってみたいと思います。モチロン、「秘密の花園」ですから、100年経っても200年経っても秘密の部分は秘密です!

私が作りたいものは、自分ひとりの力では到底出来ません。スタッフの方々や上級生の方々は勿論のことですが、この90年の歴史の中で宝塚を見続けてくださった沢山の方々ご自身の“宝塚歴史観”なるものをお聞きしたいと思います。
また、ご観劇の年月に関係なく、「こういうところが知りたい!」というご意見も頂きたいと思います。
私が現役時代からよく質問をされたことは、音楽学校に関することがほとんどでした。
「2年間という学校制度があるのは知っているが、どんなことを勉強しているのか」等々・・・。
そういえば、私の同期生で、音楽学校に受かった当初、宝塚での食事は“お芋”しか出ないといううわさを聞いて、とても心配していらっしゃったお母様がいらっしゃいました。これは間違った認識だとほとんどの方はお分かりになると思いますが、何の予備知識もなくただ厳しいところだという噂しか入ってこない場合、ありえない話しとは言い切れません。少々極端な例えではありましたが、これから作る番組がこのようなことについて正しく理解して頂く場になってくれたらと思います。

今回のこの企画において、皆様がわかりやすいように、簡単な項目を作ってみました。
詳しくは下記の「宝塚の箱」まで。
皆様からのご意見・ご要望、ご質問・・・お待ちしております!

タカラヅカ・スカイステージが50周年を迎えたら、宝塚は約140周年!?
その時、映像はどんな歴史を物語ってくれるのでしょうか・・・。
そして、誰が語り継いでくれるのでしょうか・・・。

次回は卒業シーズン。退団について語ってみたいと思います。

■応募要項
件名を「真琴つばさ―宝塚の箱―」として、郵便番号、住所、氏名、ペンネーム、電話番号を記載の上、下記アドレスまでご応募ください。
音楽学校・初舞台・ラインダンス・組編成・男役・女役・芸名・衣装・大劇場・紋付袴・その他なんでも!あなたが知っているエピソードも・・・
  件名:「真琴つばさ―宝塚の箱―」  skystage@hankyu.co.jp



 第9回

 2003年の幕が明けました!昨年7月に開局した「タカラヅカ・スカイステージ」、馬が走るような勢いで2002年を駆け抜けました。

今年は羊のように穏やかに、そして羊毛のように温かく皆様と歩んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

年始めといえば、皆様のもとに様々な年賀状が届いていることと思います。きれいに印刷されたもの、手書きのもの、そして家族の写真が印刷されているもの・・・この写真にはそれぞれの家庭の愛情というものがにじみ出ていて、誰が見てもほほえましいものです。(まぁ、私のように独身者にとっては、少々うらやましい気持ちになったりもしますが・・・。)
もし、この写真が宝塚のメイクをした生徒の顔で、宝塚を見たことのない方がたまたま目にしたらどう思われるでしょうか・・・。そんな時私の周りでは、「びっくりした」「怖かった・・・」など、家庭の愛情とはかなりかけ離れた感想を聞くときがあります。実際自分も宝塚のメイクをしてきて、それもそのはずと思う部分も多々あります。
ただこれは、宝塚の舞台メイクが本来写真やテレビを対象として作り上げられたものではなく、あの大きな劇場、華やかな衣装、まばゆいほどのライト・・・これらが揃っているからこそ完成されるものであり、これは皆様もよくご承知のことと思います。
そして今日の化粧になるまでに多くの先輩方の研究があったと思います。レビューをするにあたって、いかに外国の方のように凹凸のはっきりした顔になるか、いかに同じ女性でありながら男役と女役の差を出せるか。私は前者の工夫が、まつげやシャドウの色使いであったり、後者が肌色や眉毛、そして男役ならではのもみ上げであったりすると思います。
そしてこれら宝塚メイクにもその時代の流行があります。
例えとして一番わかりやすいのは眉毛の太さでしょう。ブロマイドが白黒の頃に比べ、今はだいぶ細くなってきているような気がします。アイシャドウもブルーが主流の時代に比べ、ブラウン系が多くなってきました。これは徐々に、宝塚の中の「時」というものが自然に要求してきたものなのでしょう。

もし、宝塚の舞台でノーマルなメイクをしてみたとしましょう。男役は男役でなくなり、女役も女役でなくなる・・・女性という現実感が生まれてしまうと私は思います。私は、宝塚はある部分、「虚構の世界」であっていいと思います。その「虚」の部分に、男役は限りなく男役像を作り上げる。女役も同じです。そしてそこから、幻想の世界や夢の世界が生まれる。そのために、宝塚のメイクはとても大切な役目を果たしてくれていると思います。ですから初めて宝塚を観た方から、「最初はあのメイクに抵抗があったけれど、観ているうちに自然と受け入れられてあの世界に引き込まれていた」「外見は衣装やメイクに作られているところが多いけど、演じている生徒さん達がみんな真剣でその役の心がにじみ出ていた」という意見を聞くと、嬉しく思うのと同時に、「それが宝塚なのです!」と自慢したくもなります。

そして退団して気づいたこと、宝塚のメイクは一種の[アートメイク]なのだということ。
あの時のメイクの技法に、私自身何度も助けられました!
ただ、これが写真や映像だとかなり難しくなる点も確かにあります。自分の記憶ではポスター撮りの時は肌色をいつもよりオークル系にしたり、テレビ撮りの時は白くしたり・・・
生徒それぞれ、宝塚においての「時」の流れの中で工夫は続くことでしょう。

現役時代、上級生の方から伺ったことで、これは一般メイクでも共通するというアドバイスをひとつ。近くで見ても遠くから見ても良く見えるのは眉毛であり、眉毛は性格をあらわす。眉間が狭すぎると神経質に、眉尻を上げすぎるときつい性格に、左右の形が違いすぎると雑な性格に・・・だから皆さん、眉毛を描くときは特に慎重に!

・・・舞台化粧についてはこれぐらいにして、最後にスーパーバイザーとして今年の抱負などを述べさせていただきたいと思います。
この仕事をさせて頂いて約半年、そろそろ番組制作なるものにも取り組んでみたいと考えております。詳しい内容については次回に・・・ということになりますが、宝塚を正しく楽しく知っていただくために―宝塚入門番組―なるものを作りたいと以前より思っていました。これにつきまして、皆様からの宝塚に関する素朴な疑問、あんなことが知りたい、こんなことが知りたい、こんなところが好きだ・・・など様々なご意見をお聞きしたいと思います。件名を[真琴つばさ―宝塚の箱―]として、下記の通りご応募ください。
是非、皆様のご意見をお寄せください。お待ちしております!

2003年が、皆様にとって笑顔の多い年でありますように・・・

■応募要項
件名を「真琴つばさ―宝塚の箱―」として、郵便番号、住所、氏名、ペンネーム、電話番号を記載の上、下記アドレスまでご応募ください。
  件名:「真琴つばさ―宝塚の箱―」  skystage@hankyu.co.jp



 第8回

 行き交う人々の身体には厚手のコート、そしてマフラーまで加わり、本格的冬到来という感じです。1年が経つのは早いですね・・・と、毎年この時期になると言っているような気がします。そして、街はすでにクリスマス一色!
私はただいま東京に住んでいるのですが、“12月”“師走”という言葉を聞くより早くから、ショッピング街には“クリスマスセール”という文字が溢れています。
全国各地に住んでいらっしゃる皆様。皆様の周りはいかがですか?

実は今回、舞台化粧のことについてお話しようと思っていたのですが、街並みに光り輝くイルミネーションを見ているうちに、“明かり”すなわち、−照明−について語りたくなってしまいました。
舞台照明にはホリゾントライト(舞台奥の上下)・フロントサイド(花道の上にあるもの)・シーリング(天井からのもの)・バルコニー(2階客席前からのもの)・ムービング(動きに合わせて向きが変わるもの)・サスペンションライト(上からのいわゆるサスと呼ばれるもの)・・・と、沢山の照明があります。それぞれの光が交じり合い、舞台を夢の世界へと演出してくれます。
その中でもやはり皆様が興味を持たれるのは、二階客席一番後ろの最も高い所にあるスポットライト(センタースポット)でしょう。ここに、宝塚のトップスターが常に浴びているライト(もちろん、専用と言うわけではありません)があります。通称“ピンスポ!”関係者の中では短縮して“ピン”と呼ばれているそうです。
他のスポットとは何かが一味違う!? ・・・まぁ簡単に言えば、明るさが違うということでしょう。もう少し深く言うならば“艶”。そしてもうひとつ、当たっているスポットの“ふち”が違うそうで、普通トップスターに当てるのは「シャープピン」と言って、ふちがくっきりとしているそうです。
でもお芝居のときはその雰囲気を損なわないよう、ふちの柔らかいもの「ソフトピン」というものが使われているそうです。

宝塚が一般の劇場と違って、より一層華やかさをかもし出している秘訣のひとつに、このスポットの功労は絶大です。外の世界では1人1台のスポットを担当するのが普通ですが、宝塚では1人3台担当しているそうで、これは「宝塚にはスターから下級生に至るまでファンの方がいらっしゃる。そんな生徒たちにまんべんなく光を当てるため、スポットの数が多くなる」からだそうで・・・。私たちの知らないところで様々な苦労があるのですね。でも、出る立場としても見る立場としても、これは嬉しいことです!

そういえば余談になりますが、在団当時の公演中、ある照明の方に声をかけられました。「真琴、あのOOOの場面、気づいてるか?」突然のことで、私の頭上を?マークが飛び交っていると・・・「あそこの場面な、必死に頑張ってる姿見て俺たちも負けられないと思って、いつもの倍、スポット当てててん。」(注:一応関西弁のつもりです。)
と告白された!?その翌日、言われた場面で上を見上げると、なんといつもはその場面ひとつだったスポットがなんと3つも私に集中しているではありませんか!
(誤解がないように書かせていただきますが、決して誰かの分を奪ったわけではありません。ちょうどその時スポットを浴びているのが私だけだったというわけです。それに、頑張っているというより、もがいているといったほうが近いかも!?)
その状況を実際に見たときは、胸に熱いものを感じました。宝塚には心で仕事して下さる方が多いんだなと・・・。

それにしてもこのスポットライト・・不思議な魅力があります。
時として、これを浴びると眩しくて目を開けられなくなってしまうこともあるのです。まるで、カンカン照りの空にある太陽を見てしまったような・・・それだけ強烈な光を放っているのでしょう。そして、それがいつの日か、「一度浴びたら忘れられない蜜の味!?」へと・・・。
これも余談になってしまいますが、宝塚をウン十年も前に退団された方のお嬢様が昨年結婚なさったそうです。その結婚式の最後の盛り上がり、新郎新婦のご両親に花束贈呈の涙を誘う名場面!? 花嫁さんからお花をもらったお父様は大泣き。
では元タカラジェンヌのお母様は?と見ると、これが“にっこり”満面の笑顔! 帰りの車で危うく夫婦喧嘩を起こしそうになったそうです。
父「お前は薄情だ!俺が大泣きしている横で笑っていられるとは!!」
母「だって・・・スポット浴びたら“笑わなきゃ”って思っちゃたんだもの・・・」
“一度浴びたら忘れられない蜜の味”とはこのようなことでしょうか・・・!?

話がスポットライトに集中してしまいましたが、そのほか様々な角度から舞台に集まる光の光線たちや、大階段に付いているようなイルミネーション(電飾)の数々。それらが、舞台に“輝き”と“彩”を放ってくれます。
そして、その色彩には“夢”という色があります。現実感を忘れさせてくれる夢色の舞台。
これは、ブラウン管を通しても味わって頂いているのではないでしょうか。
自宅で見られる「夢色の宝塚」。クリスマス、年始年末は是非このひと時をスカイステージでお過ごしあれ!!
・・・というところで、SVからの「ブラウン管の宝塚」、2002年度を締めくくりたいと思います。お付き合いいただき、ありがとうございました。

次回こそは、舞台化粧について語りたいと思います。

追伸:宝塚を応援してくださる皆様、少々早めですが・・・
Merry Christmas !!
皆様のもとに、宝塚というサンタクロースが素敵なプレゼントを運んできますように!



 第7回

 日本では、秋をじっくりと味わうことなく冬支度を始めそうな今日このごろだとか・・・。
ただいま私、異国の地アメリカにてこれを書いております。 1年ぶりのこの国。ニューヨークに3日間滞在しましたが、今回そこで観たミュージカルの音の響きの感想を交えながら、前回の話の続きを語りたいと思います。

アメリカ、特にロサンゼルスの空気の乾燥状態は、レコーディングに適しているそうで、日本のミュージシャンがよくそちらで録音してくるのもわかるような気がします。
ニューヨークやラスベガスの劇場も、どちらかといえば乾燥気味のようで・・・音が横の壁を伝って響いてくるというよりは、天井から響いてくるような気がします。これは私独自の感覚なのかもしれませんが、湿り気があると音もそれを吸って重たくなり、下に落ちやすいのではないかと・・・。
宝塚と比較してみた場合、同じ2,000人ほど入る劇場でも、ニューヨークの場合は客席の前後左右の間隔が非常に狭く、その分劇場もコンパクトに作られています。それなのに観客は体格がしっかりしている!?  宝塚の大劇場は、これらとまったく反比例しているように思います。音の響きの違いはこれらに関係しているのかと思ったこともありましたが、ラスベガスなどの劇場は、ほぼ大劇場と等しいので、やはり空気の違いなのでしょうか・・・。
まぁ、どちらが良いか悪いかは別として、私にとってニューヨークやラスベガスの音は硬さと重みを感じ、宝塚の方は柔らかさと温かみ、そして懐かしさを感じます。
ただ、一概に比較出来ない点もあります。通常、男性は男性として発声しますが、宝塚は女性が男性として作った発声をしています。その為厚みにおいてはかなりハンディがあると思います。
その昔、大劇場では影コーラスに男性も参加していたそうです。
その経験者の中から、ある人は演出家になったり、宝塚オーケストラの奏者になったり・・・忘れ去られそうな奥深い歴史が、宝塚にはまだまだあるようです!
どのような経緯でその男性コーラスができ、又なくなったのか詳しいことはわかりませんが、やはり女の園“宝塚”。きっと女性だけのコーラスのほうが秘密のベールはできやすいのでしょう・・・。
少々余談ですが、日本語で歌うときの声の高さを基準にするならば、私は英語で歌うと声は低くなり、何故か中国語で歌うと高くなります。(注:どちらも喋れるわけではありません。) 皆様はいかがでしょうか!?

国(気候)によって、劇場によって、又出演者によって生まれる異なる音の響き・・・きれいに表現するならば、宝塚は観てくださる方の心の“ピュア”な部分に響く音なのかもしれません。そして、それがフィナーレの拍手となり、ひとつの空気を作り上げるのです。ブラウン管から流れる公演の映像や音にも、そんな観てくださる方々のハートも一緒にお届けすることが出来たら・・・これに勝ることはございません!
T.Vで宝塚を見るとき、劇場とは違って2,000人の人と一緒に見る事は出来ないし、ご家族や友達と見ても、そう大人数にはならないでしょう。場合によっては一人で見ている方のほうが多いと思います。
見るものによっては孤独感を味わうより、観客と溶け込んだ雰囲気で見られるほうがより楽しいと思います。
我が家にいながら宝塚観劇を体験できる醍醐味!!ブラウン管の前の皆様も、すっぽりと秘密のベールに包み込まれ心も温かくなるのではないでしょうか。
これぞ、この冬の寒さの必勝法間違いなし!?・・・あ、でも大劇場に足を運ぶこともお忘れなく!

次回は、舞台化粧についてお話しする予定です。


 第6回

 今年は夏から秋への移り変わりがはっきりしていたようで、鈴虫たちが早くから「わが季節来たり!」とばかりにその美声!?を競っております。夏といえば蝉、秋といえば鈴虫。・・・では、春と冬を代表する鳴き声は? まぁ、それはともかく、この蝉や鈴虫の鳴き声は映画の中にも、季節を表す音としてよく出てきます。しかし、国によってはこの声が雑音としてとられるところもあって、その音声のみカットされることもあるそうです。国の感性の違いって、面白いですね。

宝塚でもよく考えたら、洋物より日本物の方がこの効果音をふんだんに取り入れているかもしれません。そして、洋物・日本物問わずその場面をより効果的にしてくれるもののひとつに「BGM」というものがあります。このBGMひとつでその場面の雰囲気が、ガラッと変わったり、相乗効果を生み出してくれたり・・・ある時はピアノソロで、またある時にはヴァイオリンで、役者の心をより甘く切なく伝えてくれたりもします。
テレビのドラマなどでも、クライマックスによく登場し、視聴者の涙を誘う・・・ということもありますよね。 宝塚は基本がストレートプレイではありませんし、夢とロマンをあの劇場いっぱいに広げるためにはこのBGM、なくてはならない存在です!
そして、役者の心さえも知らず知らずのうちに高めてくれたりもするのです!!・・・にもかかわらず、何かと忘れられそうな立場にもあるこのBGM・・・。
ちょっと、かわいそうだなとは思いますが、これが正しい姿なのでしょう。「BGM=バック・グラウンド・ミュージック」読んで名のごとく、背景音楽なのです。前にあるものを引き立て、それでいて知らず知らずのうちに人々の心の奥底へと入り込んでゆく、実は意外とオイシイ役目なのかもしれません。

また、知らないうちに効果を高めてくれるBGMとは逆に、はっきりとした存在感を持ち舞台効果が高まっていくもののひとつに、“お客様の拍手”があります。
一般的に、宝塚の拍手は派手だといわれがちですが、必ずしもそうとは言い切れないと思います。それに、あれだけ豪華な衣装を着ているのですから、多少なりとも拍手だって派手になるはずです! そして芝居はともかくとして、ショー作品においては、お客様の熱気が、拍手が、出演者たちの意気を高めてくださることもしばしばです。
芝居とショーの大きな違いを視覚的な角度から簡単に言えば、出演者が横を向いている時間が長いか、前を向いている時間が長いかといったところでしょうか・・・。芝居では台詞を言い合う相手がいますが、ショーではその相手がお客さまなのでしょう。だからフィナーレが近くなるにしたがって、拍手にも熱がこもる、これぞ、生のレヴューの醍醐味!!
ところが、この熱気がブラウン管を通すと伝わりにくくなったりします。以前に比べてだいぶ解消されていますが、(お客様の笑い声や拍手がかなり聞こえるようになりました。)まだまだ、臨場感につながるには道は険しく、スタッフの悩みの種でもあったりします。
華やかなひと時、ただ一方的にお見せするのではなく、あの劇場に流れる空気感をブラウン管を通してもお伝えしたいと思います。

そのためにはどうしたら良いのか・・・、私なりに考えるところもありますが、少々長くなりそうなので続きは次回へ持ち越しとさせて頂き、今回はこれにて締めさせていただきたいと思います。

だいぶ涼しくなり、風邪を引かれる方もいらっしゃると思います。
首と足首の後ろを暖めておくと風邪を引きにくいと聞いたことがあります。
引いてしまったら薬が一番?人にうつすのが一番!?
いずれにせよ、予防は大切です。
体調万全で宝塚を観にいらしていただくためにも、御身体大切にお過ごしください。



真琴つばさプロフィール
 1985年宝塚歌劇団で初舞台。97年月組のトップスターに。『WESTSIDE STORY』『黒い瞳(プーシキン・大尉の娘)』『ノバ・ボサ・ノバ』な どで人気を集める。舞台での活躍は勿論のこと、トークショーやテレビ出演などでも宝塚の魅力を広く世間に宣伝し、宝塚のファン層拡大に大きく 貢献。写真集・エッセイ集・ムック本などでは企画にも参加。どれも大好評を得る。
 2001年7月に宝塚歌劇団を退団。2002年7月21日には東京国際フォーラムにてファーストコンサートが行われるなど、今後の活躍が大いに期待 される。舞台人としての活動に加えて、在団当時から発揮していた卓抜な企画力、抜群のアイディア力を生かし、「TAKARAZUKA SKY STAGE」の スーパーバイザーに就任することとなった。

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